2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10630063
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Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西村 豁通 同志社大学, 名誉教授 (80066050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 満貴子 武庫川女子大学, 非常勤講師
大塩 まゆみ 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (90269738)
岩見 恭子 九州大谷短期大学, 福祉学科, 教授 (60086056)
古橋 エツ子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (90219121)
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Keywords | ホームヘルプサービス / 訪問介護 / 家族介護人 / 社会保障のジェンダー化 / ジェンダー・バイアス / 介護保険制度 / 介護の市場化 / ホームヘルパーの専門性 |
Research Abstract |
平成12年度は、昨年ヒアリング調査をしたホームヘルパー派遣事業所に、郵送方式で質問紙調査を行った。それは、2000年4月から始まった介護保険によるホームヘルパーの待遇や採用、研修、サービス運営等についての変化をつかむためであった。 その結果、多くの訪問介護事業所では、短時間雇用(登録・パート)ヘルパーを活用している傾向には変化がないことがわかった。介護保険制度導入前後に転職したヘルパーもあり、短時間雇用ヘルパーが需給の調整弁となっている。ヘルパー採用時に重視することは、130時間のホームヘルパー養成研修課程2級修了者で「人柄の良い人」とする事業所が多い。 介護保険制度開始以降、ヘルパー派遣事業は厳しい経営環境に置かれている。介護報酬設定の不適切さを訴える事業所も多く、採算をとるためにコスト削減を余儀なくされ、研修やケース会議を切り詰める事業所もある。ホームヘルプサービスのような労働集約型サービスでは、ホームヘルパーの技能を高めるために採用後の教育研修が不可欠である。特に短時間雇用ヘルパーに依存する事業運営では、プロ意識や就労意欲を高めるための研修や労務管理が重要である。しかし、介護保険制度開始以後は経営安定が最優先課題となっており、サービスの質向上のために取り組む余裕がもてない事業所が多い。 今後、ホームヘルパーの労働条件を改善して労働者性を高め、サービスの質や社会的評価を向上させることが課題である。そのためには、税制や社会保険での被扶養配偶者に対する制度を改め、短時間雇用の多いホームヘルパーが業務経験を重ねプロ意識を高めて実績を認められるようになる社会環境が求められる。
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Research Products
(1 results)