1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10630086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澁谷 博史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00226193)
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Keywords | アメリカ / アメリカ財政 / 財政 / ニクソン / ニクソン・ドクトリン / パクス・アメリカーナ / 軍事 / 福祉 |
Research Abstract |
(1)前年度から継続して、1960年代末から1970年代前半のニクソン政権期の諸政策の形成・実施過程を素材として、戦後アメリカ連邦財政の構造的な特質を分析・検討するために、「戦後のパクス・アメリカーナにおける基軸国の役割」と「現代の豊かな社会におけるアメリカ型福祉国家」という2つの要因に規定される政策形成及び運営過程を、議会審議の場に提出された資料と財務省の内部資料を中心に、実証的に検討した。 (2)基礎文献・議会資料・統計資料を収集し、特に財政支出の中の軍事と州地方補助金、税制改革の分野に重点を置いて、それに関連する議会の委員会の公聴会記録を整理し、詳細に分析した。 (3)上記の作業の成果として、適宜、それぞれの分野について論文をまとめる作業にも進めつつあり、まず、その第1段として、「ニクソン政権期の軍事財政」が完成し、現在、掲載する学術誌を検討中である。その趣旨は以下のごとくである。第1にニクソン政権期はベトナム戦争の終了によって軍事支出が削減されるだけではなく、1960年代のジョンソン政権期に立法化された福祉拡充策の実施に伴う福祉関連支出の「爆発」の圧力下で、軍事支出が抑圧れた時期である。第2に、それは、対外的にはいわゆるニクソン・ドクトリン等によるパクス・アメリカーナ編成コストの分担要求となってあらわれた。第3に、そのような軍事予算額での抑制圧力の下で、国防省のイニシアティブで「資本集約」的な方向での軍事力の構造変化も進められた。おそらく、この時期からのアメリカの軍事力の「効率化」と「資本集約化」が、1980年代からソ連への圧力にもなったと思われる。
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Research Products
(1 results)