Research Abstract |
19世紀の後半以来,Lie,Killing,Cartanにより,単純リー群の研究が始まった。それは,幾何学に作用する群によってその構造を考察するというKlein,Riemanの流れとも合流し,現在まで,大きな数学の流れとなっている。私の研究もこの流れの中で位置ずけられると思う。単純古典リー環および例外型を構成・表現するroot系,Cartan matrixによるCartan,Weyl,Kac,Moody(無限次元版による)etcによる流れがある。一方,Jordan algebraに関連した方面として,Jacobson,Schafer,Freudenthal,KantorによるG_3F_4とE_6,E_7,E_8のconstructionが存在した。小生はJacobsonの研究の流れとして,三項系からLie algebra,もっと一般にLie superalgebraを構成・研究している。我々の研究はリー関数,reductive homogeneous space,symmetric space,bounded domain系を用いない代数系の理論の発展を考察している。この研究は幾何学,物理学,解析学の極めて応用範囲が広い分野にまたがっていると考える。例えば1993年7月スペインのOviedo Univ.で第3回のこの方面の国際会議が開催された。そして1998年7月,ブラジルSao Paulo Univ.で第4回目が開催され筆者の研究を紹介。(小生もScience Commiteのメンバーである)。非結合的代数系と物理学の接点は,日本においてはまだ余り紹介されていないが,1995年8月イタリアの理論物理の学会,1993年8月,ロシアのDubnaにおける原子物理学研究所での国際学会等で活発に発表されている(小生も参加した)。最後に,仁科賞受賞者の大久保進(ロチェスター大,U.S.A.)氏との共同研究として我々の考えているtriple systemがYang-Boter equationの解を与えることが示されつつある。
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