1999 Fiscal Year Annual Research Report
代数幾何学的方法による重さ半整数のジーゲル保型形式の研究
Project/Area Number |
10640044
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
稲富 彬 明治大学, 理工学部, 教授 (20061872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 幸男 明治大学, 理工学部, 講師 (00308066)
佐藤 篤之 明治大学, 理工学部, 助教授 (70178705)
後藤 四郎 明治大学, 理工学部, 教授 (50060091)
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Keywords | ジーゲル保型形式 / リーマン・ロッホの定理 / 佐武コンパクト化 / 代数幾何学 |
Research Abstract |
一昨年度、二次の重さ半整数のジーゲル保型形式の空間の次元を、ジーゲル上半平面の数論的離散群による商空間(ジーゲル空間)の非特異コンパクト化に、リーマン・ロッホの定理(正則レフシェッツ固定点定理)を適用することによって計算した。この結果を応用することによって、スカラー値の重さ半整数のジーゲル保型形式の(重さ整数のジーゲル保型形式の重み付き環上の)加群構造を決定し、さらにベクトル値の重さ半整数のジーゲル保型形式の加群構造を特別な場合に決定した。 昨年度、二次のヤコビ形式の空間の次元を、ヤコビ形式をジーゲル空間の非特異コンパクト化上の、あるベクトル束の正則切断に対応させ、このベクトル束にリーマン・ロッホの定理を適用することによって計算した。 以上の結果に、スカラー値の重さ半整数のジーゲル保型形式の空間の部分空間(プラス空間)と、指数1のヤコビ形式の空間との間の対応を適用して、指数1のヤコビ形式の空間が決定された(伊吹山氏による)。これらの結果の整数論および保型形式論における応用は現在研究されつつある。 現在以上の結果を拡張として、二次のベクトル値ヤコビ形式の空間の次元を計算中であり、また三次のジーゲル保型形式およびヤコビ形式の場合に次元を計算するために、三次のジーゲル空間の中のジーゲル・モジュラー群による固定点集合の分類および構造の決定を研究中である。 また今年度、一次のヤコビ形式の空間に作用する、有限体上の二次の特殊線形群の作用の跡を、正則レフシェッツ固定点定理を使って計算した。この応用として、この群のヤコビ形式の空間における表現の重複度が計算される。この重複度の整数論的意味付けを研究中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shiro Goto: "Buchsbaumness in Rees algebras associated to ideals of minimal multiplicity"Journal of Algebra. 213. 604-661 (1999)
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[Publications] Shiro Goto: "Cohen-Macaulayness versus negativity of a-invariants in Rees algebras associated to ideals of minimal multiplicity"Jourunal of Pure and Applied algebra. (to appear).
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[Publications] Yukio Nakamura: "On the Buchsbaum property of associated graded rings"Journal of Algebra. 209. 345-346 (1998)