2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640180
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 純一 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60124864)
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Keywords | Hardy空間 / 概周期関数 / Riemaunゼータ関数 |
Research Abstract |
この研究はRiemannのζ関数をエルゴード的な流れ(K,{T_t}_<t∈R>)の上へ拡張し,関数環論とエルゴード理論を用いてζ関数や類似のDirichlet級数を詳しく考察する試みである.まずKを{logr ; rは正の有理数}で生成される離散群Γのコンパクトな双対群とする.ここで1/2<uを固定し,Z_u(x)=Σ^^∞__<n-1>1/(n^u)χ_<logn>(x),x∈K,とする.このときζ関数の拡張Z_u(x)はHardy空間H^2(K)内の外部関数となる.さらにt→Z_u(x+t)は積を持つDirichlet級数となる。今年度は概周期的流れ(K,{T_t}_<t∈R>)のもつエルゴード性とζ関数の普遍性定理との関連を詳細に調べてみた. 定理Dを帯領域(1/2<)u<σ<1に含まれるコンパクト集合で,その補集合が連結とする.D上連続で内部で正則で零点を持たない関数h(s)を固定する.このとき任意のx∈Kこたいして{t_n}がxに収束しs→ζ(t_n+s)がh(s)D上で一様収束するようにできる.また類似の性質はa.e.y ∈ Kに対してs→Z_u(y+t_n+s)によってち満たされる. この結果はζ関数が無限遠点の近くでいかに複雑な挙動をとるかということを示している.さらにこれらの考察で得られた手法を利用し現在関数環への普遍性定理の一般化を試みている.
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Research Products
(1 results)