1998 Fiscal Year Annual Research Report
2500年前の宇宙線強度の年変動測定と宇宙線スペクトルの研究
Project/Area Number |
10640245
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
櫻井 敬久 山形大学, 理学部, 教授 (60150265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡司 修一 山形大学, 理学部, 助教授 (70241685)
野間 元作 山形大学, 理学部, 助教授 (50007168)
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Keywords | 宇宙線 / 放射性炭素 / 太陽活動 / 年代測定 |
Research Abstract |
本研究は、今から約2500年前の古木年輪中の宇宙線生成核種である放射性炭素C-14の濃度を1年輪毎測定しその濃度年変動のプロファイルを求め、11年周期変動に着目して解析することにより古代の宇宙線スペクトルを調べることを目的としている。本年度は、1年毎の試料測定を行うために以下の測定準備実験を行った。 1. 年輪剥籬により約30年分の年輪木材試料(各100g)が製材できた。なお、20g以上については約80年分の試料がえられている。 2. ベンゼン合成のための年輪試料のセルロース処理を行い10試料(34g)が精製された。 3. 合成ベンゼンの一様性を調べるため、液体シンチレーションカウンターQuantulusによるC-14測定スペクトルとそのベータ線理論スペクトルの比較を最小二乗法により行う計算プログラムを開発した。これより発光効率の変動は1.3%以下で安定であることが分かった。 4. 合成ベンゼン中の不純物によるクエンチングのC-14計数に与える影響は、測定スペクトルの評価より0.2%以下であることが分かった。 5. 試料の外側の年輪試料の測定よりこの鳥海神代杉の計数率は88cpmであり年代は2382±34年BPであることが分った。 以上、1年毎のC-14濃度を測定精度0.3%以下で測定する準備が整った。次年度において準備できている試料測定を行い2500年前の太陽11年変動を高精度で調べ宇宙線スペクトルの考察を行う。
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Research Products
(1 results)