1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマニウム-遷移金属間の結合形成反応に関する研究
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10640529
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
持田 邦夫 学習院大学, 理学部, 教授 (20118772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 保夫 学習院大学, 理学部, 助手 (40265575)
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Keywords | ゲルマニウム-ゲルマニウム結合 / 白金錯体 / 挿入反応 / ゲルマニウム-白金結合 / X線結晶構造解析 / ねじれ構造 / 酸化的付加 / 還元的脱離 |
Research Abstract |
白金錯体触媒によるアセチレン類のゲルマニウム-ゲルマニウムσ結合への挿入反応を行い、その触媒反応の鍵中間体であるジゲルマビス(ホスフィン)白金錯体を合成し、構造および物性研究を行うことにより、触媒機構を明確にした。 白金錯体(0価)存在下では、アルキル置換ジゲルマンや1、2-シゲルマジクロヘキサジエン誘導体のゲルマニウム-ゲルマニウム結合は温和な条件で内部アセチレン類と反応し、好収率で挿入生成物を与える。一方、内部アセチレン類とは全く反応しない。この白金錯体触媒反応における中間生成物の観測をいろいろな条件でNMRなどを用いることにより試みたが成功しなかった。そこでモデル化合物としてジゲルマビス(ホスフィン)白金錯体を合成し、x-線構造解析により白金錯体がねじれた平面構造を取っていることを明かにし、錯体の異性化反応やアセチレン類やホスフィン類などのπ酸による還元的脱離反応の速度論による研究を行い、中間体の構造と物性の研究を行った。また、この白金錯体と比較する意味から、様々なホスフィン配位子を有する白金錯体を合成し、構造と物性を明確にした。その結果、この白金錯体によるアセチレン類のゲルマニウム-ゲルマニウム結合への挿入反応は、ゲルマニウム-ゲルマニウムσ結合の白金錯体への酸化的付加、それに続くアセチレン類への配位、そして還元的脱離という一連のステップで挿入反応が進むことが明かになった。
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