1998 Fiscal Year Annual Research Report
草地におけるエネルギーと窒素の流れの空間的不均一性に関する統計生態学的研究
Project/Area Number |
10640609
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
塩見 正衛 茨城大学, 理学部, 教授 (80250976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 繁男 農林水産省, 草地試験場, 研究室長
山村 靖夫 茨城大学, 理学部, 助教授 (50202388)
堀 良通 茨城大学, 理学部, 助教授 (30125801)
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Keywords | 半自然草地 / 植物群集 / 種の多様性 / 空間分布 / 不均一性 / バイオマス / 窒素 / 放牧 |
Research Abstract |
0. 放牧によって維持されている半自然草地における植生やバイオマスは空間的にパッチ状に分布している。 1. このような草地における、植物群集が形成している空間分布を調査によって明らかにした。構成種のそれぞれの空間分布は、二項・ベータ分布によく適合した。また、小面積(0.25m^2)当たりのH'で測った種の多様性は正規分布に近い分布をもった。強い放牧を行ったところでは、弱い放牧の草地よりH'は小さな平均値で、大きな分散になった。 2. 草地におけるバイオマスを、(刈取らずに)自然な状態で測定することは、植物の生長量と、家畜による消費量の空間的な分布を推定するために絶対的に必要である。パスチャープローブにより実測を試みたが、その測定精度は十分高いものではなかった。1999年にもう一度試みたい。 3. 植物の生長量を調節している大きな要素として、土壌中の窒素量が考えられる。草地における窒素(アンモニア態窒素および硝酸態窒素)の空間分布を、50mのライントランセクト上に50cm間隔で調べた。この調査により大きな傾向を表す変動とともに、ランダム変動(ノイズ的)とも考えられる微少な空間的変動を掴まえることができた。 4. 以上のデータをもとに、植生、バイオマス、窒素の空間分布が植物の生長や家畜による消費によって経時的に変化する様子のモデル研究を開始した。
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