1998 Fiscal Year Annual Research Report
マルチプルクラック先行型材料のせん断型プロセスゾーンに関する破壊力学的研究
Project/Area Number |
10650068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一志 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80235324)
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Keywords | 地殻エネルギー抽出 / 水圧破砕き裂進展 / せん断型プロセスゾーン / マルチプルクラック / 封圧 / 破壊クライテリオン / せん断軟化モデル / き裂要素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、未来型地殻エネルギー抽出のための大深度水圧破砕き裂進展挙動の破壊力学的予測モデルに関する研究を行うことである。平成10年度には、以下の研究(I-III)を行った。 研究(I)破壊のクライテリオンに関する研究 せん断型破壊プロセスゾーンの成長挙動を実験的に追跡・評価するために, 破断面に作用する垂直応力を一定に制御した地殻応力を模擬した封圧条件下(0〜80MPa)におけるせん断破壊靭性試験を実施した。実験結果に考案したJ-積分法を適用し、せん断軟化則を評価しその封圧依存性を検討した。80MPaまでの封圧条件では、せん断軟化則は大きく依存することなくほぼ一定の関係が得られることを示した。 研究(II)模擬水圧破砕実験 小型の円筒内圧試験片を用いて,高温・封圧条件下における模擬水圧破砕実験を実施した。現時点では、開口型の水圧破砕き裂進展のみが観察され、せん断型は認められていない。これは、用いた昇温速度(5℃/min)では高温時(500℃)に円筒内圧試験片の内壁と外壁の間に温度差が生じ、引張りの熱応力が影響していることも考えられる。今後、昇温速度を低下させ発生する熱応力を低減するとともに系統的な水圧破砕実験を推進し破壊モードと破壊条件の関係に関する検討を行う。 研究(III)き裂進展解析コードの作成 き裂要素を適用した水圧破砕の有限要素解析コードを作成した。単純な引張り、せん断応力状態ではプロセスゾーン進展を的確に表現できることを示した。平成11年度には、研究(I)の破壊クライテリオンを組み込み、任意の地殻応力場の下での解析を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiyuki Hashida, T.Takahashi, Kazushi Sato and Katsuto Nakatsuka: "Fracture Mechanics Study on Formation Process of Artificial Geothemal Reservoirs under Supercritical Water Conditions" Proceedings of 4th International HDR Forum (Strasbourg). in press. (1999)
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[Publications] Z.Jing, J.Willis-Richards, K.Watanabe, and T.Hashida: "A New 3-D Stochastic Model for HDR Geothermal Reservoir in Fractured Crystalline Rock" Proceedings of 4th Internatinal HDR Forum (Strasbourg). (in press). (1999)