1999 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射光による細束X線回折技術の破壊原因調査への適用
Project/Area Number |
10650099
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 靖夫 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (40061501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 貢一 東京都立大学, 大学院, 助手 (10231820)
持木 幸一 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (80107549)
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Keywords | シンクロトロン放射光 / 細束X線回折 / 疲労破壊 / X線フラクトグラフィ / 応力拡大係数 / 塑性変形 / デバイシェラー像 / 副結晶 |
Research Abstract |
本研究はX線源として高エネルギー加速器研究機構のシンクロトロン放射光を用い、単色化した約200μmの細束X線ビームを発生させ、疲労破面およびその近傍の領域のデバイシェラー写真を撮影、解析を行い、繰り返し荷重によって生成された塑性変形領域を測定、これより応力拡大係数範囲 ΔK を推定するのが主な目的である。昨年度は低炭素鋼試験片について実験を行い研究室のX線源による写真とは比較にならない位、分解能にすぐれた回折パターンが得ることに成功してΔKの推定が可能であることを明らかにした。 今年度は初期内部ひずみの大きい高張力鋼について同じ実験を行った。内部ひずみの少ない低炭素鋼にくらべて、疲労破面上での回折パターンは連続環であり、副結晶の生成を観察することは出来なかった。しかし、電解研磨により破面を漸次除去して撮影した回折パターンでは細かい斑点が観察され副結晶の生成を観察することが出来た。この斑点数を数えることで、高張力鋼でもΔKの推定が可能との結論を得た。ただ、この種の内部ひずみの大きい材料で定量的なデータを得るにはさらにX線源の分解能を高める必要のあり、この点の実現のため装置の改良との結論も同時に得られた。また、画像処理技術を発展させ、自動解析を容易にするのも次の課題である。
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