1998 Fiscal Year Annual Research Report
高膨張コンクリートを用いたケミカルプレストレス薄板に関する研究
Project/Area Number |
10650451
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 竹博 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10098783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 浩章 九州大学, 工学部, 助手 (90253484)
近田 孝夫 新日鐵化学高炉技術センター, 所長
出光 隆 九州工業大学, 工学部, 教授 (30039078)
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Keywords | 膨張コンクリート / カルシウム系膨張剤 / プレストレストコンクリート / 埋設型枠 / プレキャスト薄板 / CFRP |
Research Abstract |
型枠として使用される木材の代わりにコンクリート薄板を用い、施工後もそのまま部材の一部に使用できる“永久型枠"としてコンクリート薄板の作製を試みた。コンクリートは引張強度が低いため、薄板として用いるには格子状の緊張材に2方向プレストレスを導入して曲げ耐力の改善を図ることが必要となる。この時、土木学会コンクリート標準示方書では一般施工時の膨張ひずみ量を700μ以下と規定しているため、乾燥収縮やクリープなどによって有効プレストレスは消滅する。本研究ではカルシウム系の膨張剤を通常の1.5倍程度で用いて、示方書の規定を越える高い膨張ひずみを発生するコンクリートを高膨張コンクリートと定義し、これを用いてケミカルプレストレスを導入した薄板を作製した。その方法として、弾性係数が鋼線よりも低く、伸び能力の大きいCFRPストランドを緊張材に用いれば緊張力の低下が少ないこと、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートでは単位膨張剤量96kg/m^3以下の配合であれば、35mm厚さの薄板でプレストレスを合わせた曲げ強度12N/mm^2程度が得られること、膨張ひずみ量3000μ程度まではコンクリートの圧縮強度は顕著な低下を示さないことなどが確認された。しかしながら養生温度や配合の水セメント比によって膨張ひずみの発生量は異なり、高強度かつ高膨張量が得られる条件に付いて今後研究を進める予定である。 また、膨張剤の膨張メカニズムや、膨張コンクリートの高流動化などについても民間各社や他の研究機関とも共同で資料調査などを行った。
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[Publications] 徳光 卓,山崎竹博,出光 隆: "せん断プレストレスを利用した鋼・コンクリート合成桁接合面のせん断補強に関する研究" 土木学会論文集. No.592/V-39. 63-72 (1998)
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[Publications] 一宮一夫,出光 隆,山崎竹博,渡辺 明: "高流動コンクリートにおよぼす加震の効果" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.20,No.2,. 1243-1248 (1998)
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[Publications] 山崎竹博,出光 隆,渡辺 明,蔵重 勲: "膨張モルタル注入式耐圧性鋼管継手工法の開発に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.20,No.3,. 217-222 (1998)
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[Publications] 山崎竹博,出光 隆,小嶺啓蔵: "高膨張コンクリートの配合および養生条件と物理的特性" プレストレストコンクリート技術協会第8回シンポジウム論文集. 527-532 (1998)
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[Publications] 蔵重 勲,出光 隆,山崎竹博,渡辺 明: "ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を添加したペーストの流動特性" セメント・コンクリート論文集. No.52. 230-234 (1998)