1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650494
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
柴田 徹 福山大学, 工学部, 教授 (20027212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 和康 福山大学, 工学部, 講師 (30150816)
西原 晃 福山大学, 工学部, 助教授 (90164574)
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Keywords | 埋立て地盤 / 圧縮特性 / 沈下予測 / 年代効果 / 液性限界 / ベーン試験 / フォールコーン試験 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画では、大別して、粘土の圧縮特性と海底粘土の降伏応力の特性を調べることとしていた。本年度の研究で得られた成果を要約すると以下の通りである。 1. 粘土の圧縮特性 自然堆積粘土の圧縮特性においては、年代効果の影響が大きいことが知られている。研究者らは、粘土の圧縮特性における年代効果の影響を調べるために、年代効果を持たない練返し再構成粘土の圧縮特性に関する実験を行っている。その結果、練返し再構成粘土の圧縮特性は、粘土の液性限界に密接な関係があることが判明している。本年度の研究では、日本各地から採取された試料を用いて、コーン貫入試験とべーン試験を実施し、圧縮特性のみならず、種々の力学特性も液性限界と間隙比のある特定の値を用いて基準化することができることを示した。また、液性限界と間隙比の特定値を用いて基準化した基準化間隙比を用いると、年代効果を持たない練返し再構成粘土の力学特性を統一的に解釈することが可能であることを示した。 2. 粘土の降伏応力 地盤の降伏応力は、その地盤が過去に受けた圧密履歴の影響の他に、年代効果による硬化の影響も含まれる。そこで本年度は、埋立ておよび干拓による圧密履歴が比較的よく判明している沖積地盤と洪積地盤の圧縮曲線の解析を行うこととした。上記1.で得られた成果をもとに、各地盤の圧縮曲線を基準化間隙比で整理すると、各地盤ごとに圧縮曲線が特徴的に示されることが判明した。また解析の結果、圧密降伏後の圧縮指数と間隙比の間に明確な相関関係が見られることがわかった。さらに、各地盤の圧縮特性を練返し再構成粘土の圧密基準曲線と比較した結果、沖積地盤と洪積地盤の圧密降伏後の圧縮特性の相違、また沖積地盤では埋立てと干拓の時期が圧縮特性に及ぼす影響が明確となった。
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[Publications] 柴田徹・西原晃他: "粘土の液性限界の測定法に関する研究" 福山大学工学部紀要. 22巻1号. 31-38 (1998)
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[Publications] 西原晃・千葉利晃・田辺和康: "歴史的経緯からみた福山市の地盤特性の評価" 第50回土木学会中国支部研究発表会概要集. 781-784 (1998)
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[Publications] 西原晃・柴田徹・藤井敏美: "フォールコーン法による液性限界について" 第53回土木学会年次学術講演会概要集. A巻. 8-9 (1998)
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[Publications] 西原晃・柴田徹・大西正城: "粘土の液性限界におけるせん断特性" 第33回地盤工学研究発表会概要集. 579-580 (1998)