交通待ち行列の波動解析と混雑時の系統信号制御に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10650528
• Research Institution: Yamaguchi University
• Principal Investigator: 久井 守 山口大学, 工学部, 助教授 (80110237)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 南 正昭 山口大学, 工学部, 助手 (50239315) ; 田村 洋一 山口大学, 工学部, 助教授 (20035075)
• Keywords: 系統制御 / オフセット / 波動モデル / 衝撃波 / 待ち行列 / 総遅れ時間 / 勾配法 / 交通配分シミュレーション

Research Abstract

1.本研究は、都市交通の制御戦略上最も重要と考えられる混雑時の系統信号制御の制御効率を改善することを目的とする。交差点の待ち行列が上流に伝播し、さらにその影響がネットワークにまで波及するような混雑状況を対象とする。そのために、信号交差点で発生する待ち行列長の動的変化について観測調査を行い、それを参考にして波動モデルを作成する。この波動モデルをサブモデルとして系統信号制御のオフセットの最適化を検討する。また待ち行列が上流交差点に伝播した場合の影響を考慮して交通配分シミュレーションを行いネットワークの観点からオフセットの最適化を検討する。
2.本年度の研究実績は次のとおりである。
(1)波動モデルを用いた系統制御のモデル計算:波動モデルで衝撃波の伝播現象を再現し、系統信号路線の交通状況を再現できるようにした。これを下位システムとして路線全体の総遅れ時間を求め、上位システムでは勾配法で最適制御のモデル計算を行った。
(2)交通配分シミュレーションによる系統制御のモデル計算:交通配分シミュレーションを完成し、これを用いて系統信号路線のオフセット最適化のモデル計算を行った。また簡単なネットワークを対象として交通配分を考慮したオフセット最適化のモデル計算を行った。
(3)まとめ:混雑時の系統制御のモデル計算から得られた知見を整理してまとめとした。

Research Products

• [Publications] 久井守: "系統信号路線における衝撃波伝播現象の再現とK-V式に関する-考察"土木計画学研究・講演集. 22(1). 619-622 (1999)
• [Publications] 安江進: "系統信号路線の波動現象の再現とK-V式の評価"第19回交通工学研究発表会論文報告集. 61-64 (1999)
• [Publications] 久井守: "交通配分による渋滞リンクのオフセットがネットワーク全体に及ぼす影響分析"山口大学工学部研究報告. Vol.51,No.1. 25-31 (2000)
• [Publications] 久井守: "シミュレーションによる混雑時の系統交通信号の最適制御の検討"山口大学工学部研究報告. Vol.51,No.2. 31-36 (2001)