1998 Fiscal Year Annual Research Report
3方向地動を受ける木造軸組構法住宅の弾塑性応答性状に関する研究
Project/Area Number |
10650559
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
笹川 明 信州大学, 工学部, 教授 (00017922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十田 博 建設省建築研究所, 第三研究部, 主任研究員 (40242664)
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Keywords | 木質構造 / 木造軸組構法 / 筋かり / 3方向地動 / 弾塑性応答 |
Research Abstract |
1. 柱-土台接合部、柱-土台-筋かい接合部について以下の静的繰り返し実験を実施し、各部位の荷重-変位履歴曲線を求めた。(1)、試験体は、筋かい角度が柱間910mmと1820mmの2種類、接合金物が述べ4種類、合計82体とし、載荷パターンを変化させて柱または筋かいに軸力を加えた。(2)、これらの実験結果を整理して、各接合部の復元力特性をあらわす構造モデルを作成した。 2. 筋かい角度が2種類で、載荷パターンを変化させた22体の単位筋かい耐力壁について面内せん断実験を実施し、静的繰り返し加力に対する変位履歴を求めた。 3. 1.で求めた接合部の構造モデルと、柱・横架材・筋かいから構築した耐力壁モデルに各種の繰り返し漸増載荷を与えた解析と、2.で実施した筋かい耐力壁の実験結果はかなり良く一致することを確認した。 4. 以上の結果を踏まえて、現在、複数筋かいの配置された構面モデルの弾塑性応答解析を実施中である。この解析は、3方向地動を受ける立体骨組応答解析の前段階に位置づけられるものである。平面構面を検討の対象とし、水平1方向の地震波と上下動を同時に作用させた時の構面の挙動について検討している。解析パラメータは二つを考えている。一つは壁の直下率であり、一つは壁倍率の異なる壁の配置によって生じる開口形状の違いである。 5. 4.の検討を終了後、解析対象を3次元に拡張し、既往の実験結果と地震応答解析結果を対比させて、建物の損傷分布、偏心率の影響、柱の変動軸力の把握、入力エネルギーの相違等について考察する予定である。
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