1998 Fiscal Year Annual Research Report
特養ホーム・病院等の生活空間操作実験による入居者への効果の研究-特養ホーム・病院等の刺激的生活空間計画に関する研究-
Project/Area Number |
10650607
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 昭彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70042520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 隆秀 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60283503)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 生活空間操作実験 / 刺激的生活空間計画 / 視認率 |
Research Abstract |
■本年度は研究初年度でもあり、特別養護老人ホーム2施設に限定し、調査期間を2倍にして調査実験を行った。実験は近年建設され内部空間が変化に富んだ愛知県、岐阜県の各一施設Y、G施設を選び、各施設の共用空間(廊下)に、絵画、照明、スピーカー等を設置し、入居者の反応を長時間録画用カメラで記録する。設置前後を比較のため、設置前5日間、設置後日本画10点を5日間、洋画10点を5日間実験を行った。 ■結果の概要-(1)設置前にも掲示板等が付近にあり、視認率15〜20%であったが、設置後視認率が大きく変化した。特に第1日目は、G設置では約85%、Y設置では約65%の視認率となり、絵画の設置効果が高いことを明らかにした。(2)設置後、日を経て視認率は減衰し、5日目でG施設50%、Y施設が30%の視認率となり、約35%%減少することが分かった。(3)日本画から洋画への展示換之後、G施設の第1日目が約80%と視認率が再び上昇したが、Y施設は約30%で、日の経過による低下を防ぐ傾向のみにとどまった。これは展示空間の状況(G施設が良い)と入居者の絵画への興味等施設差があることを明らかにした。(4)時間帯別に視認率の変化を見ると、午前、昼、夕方の食事時間前後の視認率が高く、食事のついでに見る人が多い。また、施設前には5時で通る人がいなくなった廊下が、設置後1時間以上の利用の延長効果が見られた。(5)絵画の展示位置と内容による差は、展示位置と見やすさ(光線、照明等)が影響し、絵画による差は少なく、展示空間の造り方の重要さを明らかにできた。 以上の結果、絵画の展示効果が明らかになったが、定常的に展示控えする仕組の重要さも明らかにできた。
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Research Products
(1 results)