1998 Fiscal Year Annual Research Report
合金の絶対安定速度近傍における界面形態遷移機構と結晶異方性
Project/Area Number |
10650728
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
宮田 保教 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50016177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福沢 康 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10126477)
永澤 茂 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40198312)
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Keywords | 界面形態 / 絶対安定 / 急速凝固 / 結晶方位 / デンドライト / レーザー / 臨界成長 / 局所平衡 |
Research Abstract |
合金の凝固に於いて絶対安定速度近傍で実現される微細組織の初期組織依存性を定量的に評価することを目的とし、方位を制御したモデル試料による界面形態遷移実験を参照実験として、Al-Cu合金単結晶を試料としたレーザーを熱源とした急速凝固実験を行い、以下のような研究を進めた。 (1)モデル試料による平らな界面からセル,デンドライト界面への遷移実験、(2)円盤状セルを用いた界面遷移形態の結晶方位依存性、(3)低溶質濃度Al-Cu合金単結晶試料による、YAGレーザーを熱源とした界面形態遷移実験、(4)YAGレーザーを熱源とした絶対安定速度近傍における凝固組織特性。 得られた成果は以下のようである。 優先成長方位を熱流方向と所定の角度傾けたモデル試料による一方向凝固実験を実施し、この角度とセル、デンドライトの特性量との相関性を研究した。その結果、以下のことが明らかとなった。 (1)結晶方位とデンドライト一次アーム間隔の相関は強く、一次アーム間隔は最大で2倍ほど変化することが示された。(2)セル間隔との相関性は弱く、ほとんど方位に依存しない。 レーザーを用いた凝固は、Al-0.3wt%Cu合金単結晶を試料として、平らな界面からの臨界成長速度から絶対安定速度に至る速度領域に於いて、実施された。MARCにより温度勾配、成長速度の評価がなされ、SEMにより得られた画像より一次アーム間隔が測定された。その結果、(3)界面形態は上記の全ての領域に於いて、セル、あるいはセルラー・デンドライトであった。(4)Ivantsovの解を重ね合わせた成長モデルにより予測される一次アーム間隔と比較検討され、良い相関性を示していることが判った。
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