1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650794
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Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
岩附 正明 山梨大学, 工学部, 教授 (20020430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋崎 保任 山梨大学, 工学部, 助手 (20262644)
川久保 進 山梨大学, 工学部, 助教授 (90143958)
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Keywords | 大気環境 / 総合的分析評価 / 雨水 / 粒子状物質 / サイズ別分離 / 接触定量 / イオンクロマトグラフ / 簡易分析装置 |
Research Abstract |
雨水は大気中の粒子状物質及びガス状物質と相互作用しつつ降下するので、大気環境を総合的に評価するのに適している。その含有成分の存在形態は生体への取り込まれ方を左右し重要であることから、濾過・限外濾過によるサイズ別分離と接触定量法とを組み合わせ、雨水中の鉄やモリブデンなどの存在状態を研究する手法を開発した。その結果、初期雨水では低分子量の反応活性な鉄は5〜20%のみで、残りは0.45μm以上の粒子状物質として多く含まれ、酸化物や珪酸塩のような酸不溶性不活性なものが多いものの、不活性だが酸可溶性のFe(OH)_3があるほかに、活性なフミン酸錯体が数%程度含まれることが分かった。また、初期雨水中のMoは、低分子量の活性な形態の他に粒子状物質にも含まれ、これは鉄に取り込まれて不活性となるが、同時にフミン酸があると、活性になることが分かった。さらに、雨水・粒子状物質・ガス状物質を採取して相互の関連を調べた。雨水中の陰・陽イオンの降水に伴う濃度変化をイオンクロマトグラフィーで追跡すると、一般に降水とともに濃度が低下し、粒子状物質との相互作用を示すが、硝酸イオン・硫酸イオン・アンモニウムイオンなどでは、途中から再び濃度が上昇することがある。この硝酸イオンの濃度変化は硫酸イオンに比べて速やかであったが、大気粒子状物質を水抽出したときの両イオンの抽出しやすさと良く対応することなどが分かった。さらに、現場に簡便に持ち運んで分析できる簡易分析装置として、半導体光源を用いた分光光度計と光音響分析装置を試作し、鉄定量を例としてその有用性を確認できた。
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Research Products
(1 results)