1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650841
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
磯村 計明 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80037887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 健司 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (50249877)
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Keywords | ピラジン / キノキサリン / 蛍光 |
Research Abstract |
本研究は,含窒素複素環であるピラジン誘導体の蛍光強度と分子構造の関連を検討することにより,高輝度かつ安定な蛍光材料を開発を目的とするものである. 前年度までの予備的な研究においては,ピラジン環の2及び5位に置換フェニル基や1-及び2-フチル基を導入した2,5-ジアリールピラジンの合成を行い,その蛍光スペクトルの測定から,電子供与共鳴可能な置換基や大きいπ電子系置換基を導入する事により蛍光強度が大きくなることを明らかにしている. 本年度は,まず大きいπ電子系を有しておりかつ電子供与共鳴が可能なベンゾフラン環を2, 5-位にもつピラジンの合成を2-アジドアセチル-4,6-ジメチルベンゾフランとトリフェニルホスフィンの反応により行った.得られたピラジン誘導体は化合物はこれまでで最高の蛍光強度を示した.また,キノキサリンの2位に1一及び2-ナフチル基を有する化合物と2-ペンゾフラニル基を有するキノキサリンの合成を,相当するアリールグリオキサールとo-フェニレンジアミンの反応により行い,蛍光強度を比較すると,この場合もベンゾフラン環をもつ化合物が最も強い蛍光を示した.現在これらの結果をまとめて投稿原稿を作成している段階であるが,大きいπ電子系をもつ電子供与性の置換基がピラジンの蛍光を強めることが明らかになり,これらの結果・考察を次年度以降の指針として研究を進展させたいと考えている.
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