1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
犬飼 剛 北海道大学, 農学部, 助手 (90223239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 芳雄 北海道大学, 農学部, 教授 (70109528)
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Keywords | Oryza sativa / wx遺伝子 / 遺伝的組換え |
Research Abstract |
遺伝学的に規定されるwx遺伝子座領域を分子レベルで理解することを目的として、座内の遺伝学的地図及び物理地図の作成を行った。材料として、EMS処理によって得られたモチ変異系統4系統(M8A,M8E,M8F,M8J)を用いた。遺伝子座内における変異部位間の遺伝学的距離については、これら系統間の交雑より得られたF_1個体の葯を採取、固定後、花粉のI_2KI染色によりモチ及びウルチ花粉を識別、組換えによって生じたウルチ花粉の頻度から算出した。また、変異部位についてはコード領域内の塩基配列を原系統と比較して同定した。M8Aについては第13エキソンに1塩基置換による停止コドンの出現がみられた。M8E,M8F,M8Jに関してはそれぞれ第3、第5、第2エキソンに1塩基置換によるアミノ酸変異が生じていた。各変異部位間の相対的な位置関係は花粉分析の結果とよく一致し、これらの1塩基置換がモチ変異の原因と考えられた。 今回作成した地図はwx遺伝子座のコード領域をほぼカバーしていたが、遺伝子座内における組換え頻度には領域による際だった偏りは認められなかった。また、遺伝子座内の平均組換え頻度は27.1kb/cMとゲノム平均250kb/cMに比べ約10倍となっており、wx遺伝子座内ではゲノム平均に比べ約10倍の高頻度で組換えが生じていることが明らかになった。
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