1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660001
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
犬飼 剛 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90223239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 芳雄 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70109528)
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Keywords | Oryza sativa / wx遺伝子 / 遺伝的組換え |
Research Abstract |
遺伝学的に規定されるイネwx遺伝子座領域を分子レベルで理解することを目的として、座内の遺伝学的地図及び物理地図の作成を行った。材料として、EMS処理及びr線照射によって得られたモチ変異系統17系統、自然モチ変異系統1系統を用いた。遺伝子座内における変異部位間の遺伝学的距離については、これら系統間の交雑より得られたF_1個体の葯を採取、固定後、花粉のI_2KI染色によりモチ及びウルチ花粉を識別、組換えによって生じたウルチ花粉の頻度から算出した。また、変異部位についてはコード領域内の塩基配列を原系統と比較して同定した。多くの変異は1塩基置換によるアミノ酸変異であったが、各変異部位間の相対的な位置関係は花粉分析の結果とよく一致しておりいずれの変異もモチ変異として特定できた。 今回作成した地図はwx遺伝子座のコード領域をほぼカバーしており、遺伝子座内で生じている遺伝的組換えの様相について重要な知見を得ることができた。第一に、遺伝子座内で生じている組換えの頻度はゲノム全体に比べて約10倍、wx遺伝子座近傍領域に比しても約5倍高いことが明らかとなった。このことから、イネゲノム内では遺伝子座で組換えが起こりやすくなっていることが示唆された。第二に、wx遺伝子座内では遺伝子の3'側でより組換えが生じやすくなっており、その頻度はゲノム平均の約40倍になることが明らかになった。この領域にはイントロンに転移因子の挿入が認められており、転移因子の存在が組換えを促進していると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsuyoshi Inukai: "Analysis of intragenic recombination at wx in rice : correlation between the molecular and genetic maps within the locus"Genome. in press. (2000)
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[Publications] Tsuyoshi Inukai: "Frequency and distribution of intragenic recombination at the wx locus in rice"Rice Genetics Newsletter. 15. 169-170 (1998)
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[Publications] Khin-Thidar: "Distribution of recombination sites in the 195-kb region surrounding the wx gene in rice"Rice Genetics Newsletter. in press. (1999)
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[Publications] D.-H.Chen: "Molecular mapping of the blast resistance gene, Pi44(t), in a line derived from a durably resistant rice cultivar"Theoretical and Applied Genetics. 98. 1046-1053 (1999)
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[Publications] L.V.Dung: "Dissection of a major QTL for photoperiod sensitivity in rice : its association with a gene expressed in an age-dependent manner"Theoretical and Applied Genetics. 97. 714-720 (1998)