1998 Fiscal Year Annual Research Report
イネ組織培養による微小変異の誘導・解析と育種的利用に関する研究
Project/Area Number |
10660005
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 利徳 山形大学, 農学部, 助教授 (80202670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹原 健夫 山形大学, 農学部, 教授 (20005606)
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Keywords | 培養変異 / PCR / フィンガープリント / AFLP / 欠失 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝変異を高感度に検出できる新しいフィンガープリント法であるAFLP(Amprified fragment length polymorphism)法を培養変異の解析に試みた。材料として、インド型イネ品種TadukanとTadukan由来の高頻度再分化系統(D101)の後代カルスから再分化させたソマクローナル変異を示す1個体を分析に用いた。葉身からCTAB法で全DNAを単離後、DNAを制限酵素EcoRIおよびMse Iで切断し、両端に2種のアダプター(EcoRIアダプターおよびMse Iアダプター)を結合しそのアダプター配列に相補的な2種のオリゴヌクレオチドプライマーをアニーリングさせ、PCR増幅を行った。プライマーはPCR反応の前に[γ-^<32>P]ATPとポリヌクレオチドキナーゼを用いて、その5'末端をラベルした。PCR産物は6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動後に、オートラジオグラフィーを行って多型を比較した。本研究では、EcoRI側のselactive baseとしてAA,AC,AGおよびATを用い、EcoRI側のプライマー、5'-GACTGCGTACCAATTC-3'の3'側に連結し、またMseI側のselective baseとしてCAA,CAC,CAG,CAT,CTA,CTC,CTG,およびCTTの8種をMseI側のプライマ-、5'-GATGAGTCCTGAGTAA-3'の3'側に連結してAFLP分析を行った。その結果、32(4x8)のプライマー組合わせ中、17種の組合せで変異が検出できた。変異のパターンとしては欠失変異が多く起こっており、数塩基から数十塩基が欠失DNA領域があること。また変異のバンドをみると、原品種にない増幅断片が認められる他、原品種の半分の濃度の増幅断片が認められ、相同染色体の片方でヘテロに変異が起こっていることが確かめられた。
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