1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660037
|
Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
輿水 肇 明治大学, 農学部, 教授 (60012019)
|
Keywords | 樹木枝葉粉砕 / マルチング / 堆肥化 / CN比 / 廃棄物有効利用 / 窒素添加 / 発酵温度 |
Research Abstract |
1.住宅団地の立て替えで発生する不要木の枝葉と幹を粉砕したチップの有効利用を想定して、土壌表面に敷き均したときにどの程度堆肥化するかを住宅試験場で検証した。地表面が造成裸地、植栽地、上部被覆地の3タイプで比較したところ、上部被覆地を除き、敷き均し厚さの変化と、下層部での堆肥化の程度には差がなかった。上部被覆地では風雨による風化が少なく、またチップ層への水分供給がないため、堆肥化は困難であった。 2.チップ内の温度変化は、敷き均し直後には気温より若干上昇する傾向が見られたが、数日で気温との差が無くなり、発酵熱の発生は考えられなかった。発酵を促進するため、鶏糞などの窒素を補給すると、そのご数日は温度上昇が見られたが、窒素の消費に伴って、発酵温度以下に低下した。 3.このことは、CN比の低下でも確認され、当初の200前後の値は、窒素添加後には100以下に低下し、その後その前後で推移したが、分解が停止したと思われた以降は、CN比の低下は認められなかった。 4.チップの樹種の違いによる検証では、落葉樹では比較的分解が進む傾向が認められたが、常緑広葉樹、針葉樹では分解がほとんど進まなかった。針葉樹で分解が進まない理由の一つとして、樹脂の含有率が高いことが考えられ、この事は分解の過程でフェノール類が精製され、幼植物への成長阻害が現われたことからも推察できた。 5.2ヵ年の敷き均しでは、地表面からの蒸発抑制による土壌水分の保持効果が上昇し、植物の成長促進が若干認められたが、表層土壌の透水性などの物理性改善には顕著な効果は認められなかった。
|