1999 Fiscal Year Annual Research Report
CMV-RNAの複製過程におけるテンプレートスイッチング機構の解明
Project/Area Number |
10660044
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
奥田 誠一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (90091941)
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Keywords | 植物ウイルス / サテライトRNA / ウイルス複製 / テンペレートスイッチング |
Research Abstract |
1.サテライトRNAを含むCMVを接種し,経時的にサテライトRNAの多量体および変異体の形成をPCR法によりモニターし,多量体や変異体の形成を調べた. 2.サテライトRNA(RNA5)を含むキュウリモザイクウイルス(CMV)感染葉からは,RNA5の3'末端に5'末端が結合した分子が検出される.そこで,CMV感染葉から全RNAを抽出し,CMVゲノムRNAが連続して結合している分子の存在の有無を検討した.まず,(+)鎖の3'末端に5'末端が結合している分子を検出するため,5'末端下流に相補的なプライマーで(+)鎖を鋳型としたcDNA合成を行い,ゲノムRNA1〜3の両末端領域に特異的なプライマーでPCRを行った.その結果,RNA1-RNA1のようにホモロガスな組み合わせで結合する分子とともに,RNA1-RNA2やRNA1-RNA3といったヘテロロガスな組み合わせで結合した分子の存在が判明した.同様に,(-)鎖を鋳型としたcDNAからPCRを行ったところ,やはり(-)鎖CMVゲノムRNAがホモロガスまたはヘテロロガスの組み合わせで結合した分子の存在が判明した.さらに,同様の実験をRNA5を含むCMVの感染葉から抽出したRNA試料で行ったところ,RNA5とCMVゲノムRNAが結合している分子も検出された. 3.以上の結果に基づき,次年度は多量体や変異体の経時的消長を追究し,それらの形成が最大になる時期と複製増殖が停止する時期を特定し,さらに,多数の変異体の塩基配列を決定し,欠損しやすい領域あるいは他の配列中に挿入されやすい領域を決定する.また,CMVのサテライトRNAに特異的に結合するタンパク質を分離し,テンプレートスイッチングや増殖停止といったウイルス増殖の定常期に引き起こされるウイルスRNAの変異のメカニズムを探る.
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