1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍性担子菌メシマコブのタマグワに対する宿主選択性
Project/Area Number |
10660167
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
河内 進策 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 貞利 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50112321)
|
Keywords | 抗腫瘍性 / 担子菌 / 木材腐朽菌 / メシマコブ / 宿主選択性 / ヤマグワ / 抗菌物質 / オキシレスベラロール |
Research Abstract |
本年度は、メシマコブの宿主選択性と抽出処理の影響を明らかにするとともに、ヤマグワ中の抗菌物質であるオキシレスベラトロールを抽出単離、定量しようとした。 1. メシマコブの宿主選択性と抽出処理の影響 メシマコブの樹種選択性を明らかにするためにブナ,ヤマグワ,クヌギ,コナラの4樹種の木粉培地でメシマコブ,マンネンタケ,カワラタケ,シイタケの菌糸成長を比較した。その結果、メシマコブはヤマグワ木粉で最も成長が良かったが、他の菌の成長は逆に抑制された。これより、メシマコブがヤマグワに対して明らかな選択性を示すことが確認された。 ヤマグワ木粉をメタノール抽出するとマンネンタケやカワラタケの成長が大きく促進され、得られたメタノール抽出物を浜田培地に添加するとメシマコブに比べてマンネンタケとカワラタケの成長が著しく抑制された。このように、ヤマグワにはメタノールにより抽出可能な抗菌活性の高い成分が含まれており、この成分に対するメシマコブの耐性が他の菌よりも強いことがヤマグワを宿主として選択する一因ではないかと考えられた。 2. オキシレスベラトロールの抽出単離および定量 ヤマグワのメタノール抽出物を酢酸エチルに溶解し、常法に従って強酸性部,フェノール部及び中性部に分画した。現在、フェノール部からシリカゲル力ラムなどを用いてオキシレスベラトロールの単離精製をおこなっている。得られた結晶がオキシレスベラトロールであることを、種々の機器分析により確認した後に、ヤマグワのメタノール抽出物中のオキシレスベラトロールを定量する予定である。
|