1998 Fiscal Year Annual Research Report
Ecto-ATPaseの局在と発生の組織化学的研究
Project/Area Number |
10670019
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
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Keywords | ecto-ATPase / C-CAM |
Research Abstract |
細胞外に多量に存在し、プリン受容体のシグナルであるATPを加水分解する酵素ecto-ATPaseの各組織での発現をラットを用いて組織化学的方法によって検出し、電子顕微鏡とレーザー顕微鏡によって検索した。組織2%グルタールアルデヒドと2%パラホルムアルデヒド混合液で固定し、洗浄後40μmの切片をマイクロスライサーで作製し、酵素反応を切片上で行い、レーザー顕微鏡標本に、また、1%オスミウム酸固定を行い、電顕標本とした。 この結果、次のことが明らかになった。 1) ecto-ATPaseはアルデヒト系化学固定の抵抗性を示し、上記固定法で70%の酵素活性が残っている。 2) 各組織での発現は次の様である。 ・肝臓の毛細血管 ・消化管の吸収上皮細胞の微絨毛と神経線維 ・腎臓の近位尿細管の微絨毛、基底部細胞膜 ・心筋細胞の細胞膜、T-管 ・小脳の顆粒層、プルキンエ細胞 ・リンパ性組織の細網細胞と明中心のリンパ球 3) 全ての組織の酵素活性はecto-ATPaseの特異的阻害剤diethyl pyrocarbonateで完全に阻害される。 4) ecto-ATPaseの発現場所はプリン受容体を発現している細胞自身、または、その近くに見られATPのシグナルを調節していることが明らかになった。また、消化管、腎臓のecto-ATPaseは胆汁酸結合蛋白で、胆汁酸の再吸収がこれらの部位で行われていることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Okada,T.et al: "Diethyl pyrocarbonate in an inhibitor of cardiac intestinal and renal Ecto-ATPase" Acta Histochemica et Cytochemica. 30. 637-642 (1997)
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[Publications] Zinchuk,VS.et al: "Ecto-ATPase activity in cerebellum:inplication to the function of sympatic transmission" Brain Research. 815. 111-115 (1999)