1999 Fiscal Year Annual Research Report
マルチドメインプロテオグリカン分子群を細胞内外に局在させる超分子機構の解析
Project/Area Number |
10670031
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西塚 雅子 順天堂大学, 医学部, 講師 (20133332)
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Keywords | プロテオグリカン / 大脳皮質 / グリア / γ-アミノ酪酸 / 非錐体細胞 |
Research Abstract |
神経特異プロテオグリカンのニューロカンとフォスファカンはマルチドメイン構造のコア蛋白質にグリコサミノグリカン鎖が多数結合した巨大分子で、他の分子と結合して超分子複合体を構成し、複数のサブタイプがある。 ニューロカンは発生過程では大分子型であった。一方、成熟脳では大分子ニューロカンは消失して、ニューロカンのカルボキシル末端側小分子が細胞外の分子として働く。大脳皮質には、γ-アミノ酪酸を神経伝達物質としカルシウム結合タンパク質の1つであるパルブアルブミンを含有する大脳皮質非錐体細胞がある。ニューロカンのアミノ末端側小分子が、それらの抑制性介在ニューロンの細胞体周囲に突起を出しているグリアの突起終足の細胞質に存在していた。アミノ末端側小分子ニューロカンは、介在ニューロンに特徴的なバースト状の発火を調節するしくみの1つとして働くものと考えられるが、その詳細はまだ分からない。 フォスファカンは幼若動物においても成体においても神経組織に細胞外分子として存在する。しかし、γ-アミノ酪酸を神経伝達物質としカルシウム結合タンパク質の1つであるパルブアルブミンを含有する大脳皮質非錐体細胞の周囲に突起を出すグリアは、突起の終足の細胞質にもフォスファカンを分布させていた。 γ-アミノ酪酸を神経伝達物質とする大脳皮質非錐体細胞のなかには、ニューロカンとフォスファカンの両者を共存するグリア突起に囲まれているものが相当数あることが判明した。
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