1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670135
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
谷口 隆信 福井医科大学, 医学部, 助教授 (60217130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 謙一郎 福井医科大学, 医学部, 教授 (60026838)
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Keywords | 膀胱癌 / 前立腺癌 / 精巣腫瘍 / 細胞周期 / インプリンティング / kip2 |
Research Abstract |
1.膀胱癌30例,前立腺癌23例,精巣腫瘍6例についてパラフィン包埋標本及び新鮮手術標本からDNAを抽出しました。同時に正常組織(主に血液)からもDNAを抽出し以下の検討を行いました。 2.11番染色体短腕末端部(11p15)に存在するkip2,TH,IGF2,H19について遺伝子多型をPCRで検討したところ,各遺伝子座におけるヘテロの役割はそれぞれ17/59,45/59,14/59,11/59で,少なくとも一つの遺伝子座でヘテロであったのは49/59でした。 3.ヘテロの症例49例のうちヘテロ接合性の喪失(LOH)は7症例で認められました。LOHの証明された遺伝子座はkip2,TH,IGF2,H19でそれぞれ2/7,6/5,2/7,3/7でした。 4.kip2遺伝子の変異についても検討を行っており,30症例について10対のPCRプライマーでkip2遺伝子を数百bpづつ増幅してkip2遺伝子全体について正常と腫瘍をSSCP法で比較しました。30例中10症例に少なくとも1カ所で腫瘍に特異的パターンを認めました。DNAシークエンスを行ったところ,特定の部位に変異がおこっているということは観察されませんでした。 5.kip2インプリンティングについては新鮮手術標本が得られ且つkip2におけるヘテロが証明された1症例について検討いたしましたが,2つのアレルの一方からのみの発現が認められ腫瘍においてもインプリンティングが保たれていました。ただ,両親の遺伝子型が得られず発現アレルの由来については結論できませんでした。 6.kip2の5'領域をプローブとして用いた結果では腫瘍組織,正常組織いずれにおいても低メチル化状態と考えられる結果を得ました。腫瘍特異的なメチル化の変化は検出されていませんでした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M. J. Sullivan, T. Taniguchi, A. Jhee, et al.: "Relaxation of IGF2 imprinting in Wilms tumours associated with specific changes in IGF2 methylation"Oncogene. 18. 7527-7534 (1999)