2000 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛欠乏の生体影響に関する研究とその予防医学的評価
Project/Area Number |
10670321
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
野寺 誠 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70189413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 裕之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10200536)
和田 攻 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60009933)
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Keywords | 亜鉛 / ラット / アポトーシス / 精巣 / iNOS |
Research Abstract |
亜鉛欠乏食摂取によりヒトと同様な、しかも慢性的に推移するラット亜鉛欠乏モデルを作製し種々の組織に生じた変化を観察し、亜鉛欠乏の生体影響を詳細に調べた。SD系雄ラットを亜鉛欠乏食で飼育した。 欠乏食による飼育開始から34週後まで、7日毎に胸腺、肝臓、腎臓、精巣、皮膚、食道を摘出し、形態学的な変化を観察した。また、同時にTUNEL法を中心にアポトーシスの亢進状況を調べた。その結果、従来より亜鉛欠乏による影響が大と考えられている胸腺や精巣では、形態変化(萎縮)以前にアポトーシスの亢進が認められた。また、亜鉛欠乏による影響がほとんど認められない腎臓や肝臓においても、亜鉛供給の停止が長期化した場合にはアポトーシスが亢進することが明らかとなり、亜鉛が細胞周期に関与する元素であることが示唆された。 臨床的には生殖能の低下、また実験的には生殖細胞の減少や精細管の萎縮など亜鉛欠乏の影響が顕著である精巣についてより詳細な変化を調べるために、短期間、亜鉛欠乏状態にしたモデルの精巣について、iNOSの発現を免疫組織学的に調べた。その結果、アポトーシスを起こす以前に生殖細胞にiNOSの強い発現が認められ、亜鉛欠乏時のアポトーシスの亢進にはNOが関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)