1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670377
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
中野 ユミ子 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (40159067)
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Keywords | ストレス / アレルギー性接触皮膚炎 / ランゲルハンス細胞 / ケラチノサイト / 単独隔離 / 接着分子 / サイトカイン / 神経ペプチド |
Research Abstract |
ストレスは炎症性疾患を増悪させるといわれている。そこで慢性的精神的ストレスがランゲルハンス細胞(LC)やケラチノサイト(KC)の機能や細胞表面分子発現に及ぼす影響を検討した。 BALB/c雄マウスに単独隔離ストレスを負荷し、経時的にハプテンをでアレルギ一性接触皮膚炎(CS)を誘導した結果、隔離開始直後には抑制されたが、その後隔離30日目がピークとなる顕著な増強がみられた。FITC塗布後のリンパ節へLCの流入をFITC量やIa発現でみた場合、正常マウスにトランスファーしCS誘導能(抗原提示能)を調べた場合ともに、CSの発現とパラレルなパターンになった。一方、KCは全く逆のパターンを示した。すなわちハプテン塗布後に活性化されるKCの抗原提示能は、隔離初期には増大し、隔離期間の延長とともに顕著に低下した。隔離期間の延長に伴ってハプテン塗布後のmRNAおよびサイト力インレベルでのIL-1αおよびTNF-αの産生が低下した。ハプテン塗布後のICAM-1およびE-selectinなとの接着分子やCD40,Fas、TNFRp55などの発現は、隔離期間の延長とともに顕著に増大した。しかし、LCの皮膚局所への補充に主要な役割をはたすKC上のE-カドヘリン発現が時間経過とともに減少していた。隔離によってKCの増殖性が顕著に低下し、分化が高進している可能性が示された。 以上の結果は、単独隔離ストレスによってCS発現が増強され、LCは活性化される一方、KCはむしろ分化が促進され、正常な機能を失うことが判明した。このことはストレス負荷によるLCの機能高進が、KCの接着分子発現やサイトカイン産生高進によるのではなく、神経ペプチドなど他のメディエイターの関与による可能性を示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Nakano: "Antigen-presenting cell function of epidermal cells activated by hapten application" Brit.J.Dermatol.138. 786-794 (1998)
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[Publications] Y.Nakano et al: "Immune function and lifestyle of taxi drivers in Japan" Industrial Health. 36. 32-39 (1998)
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[Publications] Y.Nakano et al: "Relationships between immune prameters and health status in middle-aged 1male Japanese workers" Industrial Health. (in press). (1999)