1999 Fiscal Year Annual Research Report
原発性大腸癌には発現せず転移性大腸癌に特異的に発現する遺伝子群の同定
Project/Area Number |
10670513
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中村 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00221458)
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Keywords | サブトラクション / RDA法 / 大腸癌 |
Research Abstract |
同一患者(2例)の大腸癌原発巣と大腸癌転移巣よりmRNAを抽出し、RDA法(PCR法に基ずくRNAのサブトラクション法)を用いて大腸癌原発巣に比し、大腸癌転移巣で発現増強を示す遺伝子群の同定を試み,大腸癌原発巣に比し、大腸癌転移巣で5倍以上の発現増強を示す遺伝子が8種類同定された。内2種類は遺伝子バンクに未登録の遺伝子であり、2種類は遺伝子バンクに登録されている(Cosmid L219のクローン遺伝子、およびBACクローン内16p13染色体上遺伝子)が機能が明らかにされていない遺伝子であった。これら4種類のcDNAの生物学的機能を解析を行っている。 20例の大腸癌患者を対象として、これら4種類の遺伝子の大腸癌原発巣および大腸癌転移巣での発現をReal-time PCR法を用いて検討し、大腸癌転移巣での強発現が確認された。これら4種類の遺伝子は、大腸癌転移巣より樹立された癌細胞株(T84)での発現も確認された。そこでT84よりcDNAライブラリーを作製し、これら4種類のcDNAをクローニングした。これら4種類のcDNAを大腸癌細胞株(HT29,Caco-2)へ遺伝子導入し過剰発現させる事で、各遺伝子のアポトーシス、細胞運動、転移能、増殖能、血管新生誘導能、悪液質産生能に関して、in vitroおよびin vivo(scid mouseへの接種)で解析を行っている。また、これら4種類の遺伝子に対する、アンチセンスベクターを作製し、T84に導入し、各遺伝子の発現抑制がT84のアポトーシス、細胞運動、転移能、増殖能、血管新生誘導能、悪液質産生能におよぼす影響をin vitroおよびin vivo(scid mouseへの接種)で解析する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Zhang,T.Nakamura, et al: "TCR and IL-12 Receptor Signals Cooperate to Activate an Individual Response Element in the IFN-γ Promoter in Effector Th Cells"The Journal of Immunology. 163. 728-735 (1999)
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[Publications] M.Iimura,T.Nakamura, et al: "Bax is Down-regulated in Inflamed Colonic Mucosa of Ulcerative Colitis"Gut. (in press).