1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いたGoodpasture症候群の発症制御の研究
Project/Area Number |
10670538
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 好規 名古屋大学, 医学部, 助手 (20270986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下方 薫 名古屋大学, 医学部, 教授 (10022906)
|
Keywords | Goodpasture症候群 / Fcレセプター / 抗基底膜抗体 |
Research Abstract |
[概要]平成10年度においては、Goodpasture症候群のマウスモデル作成を目的として肺と腎の両臓器に共通する抗基底膜抗体作成を行った。マウスの腎臓を摘出後、糸球体を分離し、腎糸球体分画を濃縮した。その後、アジュバンドとともにウサギに免疫し、抗マウス糸球体基底膜抗体を作成した。作成した抗体を用いた免疫組織染色では、腎糸球体基底膜と肺胞基底膜への良好な染色性を認め、肺と腎の基底膜に反応する抗体であることが示された。この抗体をマウスに投与したところ、腎臓においては蛋白尿を始めとする腎障害と免疫複合体による腎炎の組織像を呈した。肺においては、気管支への抗体沈着は認めたが、肺胞領域での障害は認められなかった。肺胞領域での抗基底夢抗体による障害を惹起させる目的で、高圧酸素状況下での抗基底膜抗体投与を行ったが、本研究年度内には適切な抗基底膜抗体誘導性肺障害を作成できなかった。次ぎに、免疫複合体性組織障害におけるFcレセプターの役割を検討する目的で、Fcレセプターγ鎖遺伝子欠損マウスを用いて同様の検討を行い、抗基底膜抗体による組織障害がFcレセプターを介するものであるか否かを平成11年度計画にて解析予定である。 [結論](1) マウス肺・腎の基底膜に反応する抗基底膜抗体を作成することができた。 (2) この抗基底膜抗体により、効果的に免疫複合体性マウス糸球体腎炎を作成することが可能であった。しかし、肺障害を誘導することができなかった。 (3) 高圧酸素状況下での抗基底膜抗体投与においても、抗基底膜抗体誘導性肺障害を作成できなかった。 (4) 抗基底膜抗体依存性組織障害におけるFcレセブターの役割について、Fcレセプターγ鎖遺伝子欠損マウスを用いて平成11年度計画にて解析予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Imaizumi K: "Bystander tumoricidal effect and gapjunctional communication in lung cancer cell lines." American Journal of Respiratory Cell and Mollecular Biology. 18. 205-212 (1998)
-
[Publications] Ohara H: "Effect of genetransfer of tumor necrosis factor receptors into human lung carcinoma cell line." Japanese Journal of Cancer Research. 89. 589-595 (1998)
-
[Publications] Wakayama H: "IgG-mediated anaphylaxis via Fcg receptor in CD40-deficient mice" Clinical Experimental Immunology. 114. 154-160 (1998)