1998 Fiscal Year Annual Research Report
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10670726
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山野 恒一 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20093172)
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Keywords | 異所性灰白質 / 神経回路網 / シナプス / カテコールアミン神経線維 / セロトニン神経線維 |
Research Abstract |
知能障害、てんかん、脳性麻痺などの基礎疾患として脳形成異常(滑脳症、多少脳回症、異所性灰白質なと)が注目されている。本研究ではモデル動物を作成して脳形成異常における神経回路網の発達を検索している。ICR-JCL系マウスの妊娠13,14日目にcytosine arabinoside(以後ara-cと略す)を30mg/kg腹腔内注射すると,親マウスから得られた仔マウスでは海馬に異所性錐体細胞と頭頂後頭部大脳皮質内に神経細胞が集ぞくした異所性灰白質が形成された。この大脳皮質異所性灰白質をGolgi-Cox染色でみると、神経細胞の配列は不規則で樹状突起の伸展も不良であった。しかし、電顕ではこれらの神経細胞にもシナプス形成がみられた。そこで大脳皮質異所性灰白質におけるカテコールアミンやセロトニン神経軸索の伸展を免疫組織学的に検索すると、異所性灰白質へはセロトニン含有神経軸索は大脳皮質と同様に伸展してきていたが、カテコールアミン含有神経軸索の伸展はきわめて乏しかった。カテコールアミンやセロトニン神経細胞はマウスでは妊娠12日までに作られるために、ara-cの影響を受けない。カテコールアミン含有神経細胞の軸索が大脳皮質異所性灰白質でなで十分に伸展してこなかったのかが平成11年度の研究目標である。
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[Publications] Marumiya Seiro ほか: "Enhanced expression of full-length TrkB receptors in young rat brain with hypoxic/ischemic injyury." Brain Research. 797. 278-286 (1998)
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[Publications] Maruo Yoshihiro ほか: "Gilbert syndrome caused by a homozygous missense mutation(Tyr486Asp) of bilirubin UDP-glucuronosyl transforase gene." The Journal of Pediatrics. 132. 1045-1047 (1998)
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[Publications] Narita Tsutomu ほか: "Hyportension in Leigh syndrome-A case report" Neuropediatrics. 29. 265-267 (1998)