1999 Fiscal Year Annual Research Report
核医学的手法による動物モデルを用いた臓器血流の定量化の研究-γ線の吸収散乱因子-
Project/Area Number |
10670836
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小野口 昌久 金沢大学, 医学部, 助手 (30283120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 輝彦 金沢大学, 医学部, 教授 (20171556)
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Keywords | 心筋血流製剤 / ガンマカメラ / 摂取率 / ラット / テトロフォスミン |
Research Abstract |
^<99m>Tc-tetrofosmin(以下、TF)を正常ラット:雄Donr yu(6〜8週齢、222g〜340g平均体重279.25g±8.541g)に投与し、各種臓器への分布をガンマカメラ(以下、Pl)による測定値とウェル型シンチレーションカウンタ(以下、WC)による臓器摘出後の実測値で比較検討した。測定および解析法は麻酔下のラットの尾静脈にDipyridamole0.142mg/kg/minを2分間投与後、直ちにTF約60MBq(0.2ml)を静注した。5,10,15,30,60,90分後にPlでラットの前面像を撮像、その直後に、心臓、肺臓、肝臓、腸管(十二指腸〜直腸)および血液を摘出し、WCで放射能(%lD/g)を測定した。Plによる解析では、各臓器に関心領域を設定し、投与量に対する%lD/pixelを算出し、両者の各臓器別集積率を比較した。さらに腸管の腸管壁と内容物のカウントの割合を算出した。摂取率は各臓器において投与早朝にPlの方がWCに比し高い値を示した。また心臓/各臓器比は、WCでは投与後経時的に増加したが、Plでは経時的変化は認められずほぼ一定な値を示した。腸管では十二指腸および上部小腸は比較的早期に高い摂取率を示し、腸管壁と腸管内容物とのカウントの割合は十二指腸から小腸下部まで時間に無関係にほぼ97%が腸管内、すなわち排泄物によるものであった。以上より、ガンマカメラによる摂取率は必ずしも正確な値を示しておらず、これらの原因の1つとして、肝臓・上部消化管などから散乱線の影響も関与していると思われた。したがって臨床においてガンマカメラで摂取率、心臓/臓器比を算出する際にはこれらのことを考慮する必要があると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小野口昌久: "ラットにおける心筋血流製剤^<99m>Tc-tetrofosminの体内分布 -プラナー像と摘出臓器による便の対比-"金沢大学医学部保健学科記要. 23・2. 47-55 (1999)
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[Publications] 小野口昌久: "^<99m>Tc-Tetrofosmin心筋画像はどの程度真の取り込みを反映しているか?-ラットを用いたガンマカメラによる測定と実測値の対比-"北陸循環器核医学研究会記録集. 31. 5-6 (1999)