1999 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズムに関連する精神障害における生体リズム関連遺伝子のクローニングとその解析
Project/Area Number |
10670896
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山田 尚登 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50166724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 淳 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10301227)
尾関 祐二 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90303768)
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Keywords | 概日リズム睡眠障害 / 気分障害 / 時間遺伝子 / hper / 睡眠相後退症候群 / 非24時間睡眠覚醒症候群 |
Research Abstract |
生体時計に起因すると考えられる精神疾患の内、睡眠相後退症候群(DSPS)、非24時間睡眠覚醒症候群(Non-24)において、生体時計機構に関連する遺伝子の一つであるhperに注目し、その遺伝子異常を調べた。滋賀医科大学精神科神経科睡眠特殊外来を受診し、睡眠日誌及び夜間のメラトニンの最高値出現時刻に基づき概日リズム睡眠障害と診断された患者10名(7名のDSPS、及び3名のNon-24)の末梢血より取り出したmRNAからRT-PCRによりcDNAを作成し、増幅したPCR産物の遺伝子配列の検索を行った。その結果、上記患者の10名において5箇所の変異を検出した(a826a/c a1828g t2434t/c g2548g/a c3071c/g)。次に、更に症例を増やし、患者13名(8名のDSPS、及び5名のNon-24)及び対照健常被験者11名でアミノ酸置換が見られた部位(c3071c/g,Pro→Ala)に関してのみ遺伝子配列を調べた。その結果、DSPSでは8名中5名、N-24では5名中3名、健常被験者では11名中5名であり、各群でその出現頻度に有意差は見られなかった。 同様に、双極性障害患者6名においてもアミノ酸置換が見られた部位(c3071c/g,Pro→Ala)の検索を行った。その結果、双極性障害6名中3名に変異が認められたが、健常者と比較して有意な差とはならなかった。 症例数を更に増やし検討を行う必要があるが、これらの結果から、現時点では概日リズム睡眠障害や双極性障害ではhperの異常の関与している可能性は低いと考えられた。
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