1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト巨核球多倍体化過程における細胞周期制御蛋白の解析
Project/Area Number |
10670970
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
寺村 正尚 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40188686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80256528)
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Keywords | 巨核球 / 多倍体化 / cyclin B1 / cdc 2 |
Research Abstract |
血小板を産生する血液細胞である巨核球の多倍体化のメカニズムについて、特に細胞周期関連蛋白に注目して検討を行っている。ヒト巨核芽球性白血病細胞株であるMeg-J細胞にインドロカルバゾール系化合物の一つであるK252aを添加し液体培養すると、細胞は大型化し、偽足形成を認めるようになるなど、成熟巨核球系へ分化傾向を示す。さらに興味深いことには、正常巨核球と同様に多倍体化を示す。そこで、この多倍体化過程における種々の細胞周期関連蛋白の変化について、各種抗体を用いたウエスタンブロット法により、経時的に検討した。その結果、多倍体化の際にはcyclin B1およびcdc2の一過性の上昇と、それに続く急速な低下が認められ、この変化が巨核球の多倍体化に重要な役割を果たしているものと考えられた。 また、我々は巨核球の多倍体化過程におけるpolo-like kinase 1(PLK1)の関与の有無について注目し、検討を開始している。ヒトPLK1は細胞周期のM期に特異的なprotein kinaseであり、centrosomeの成熟とspindle formationに必要であるといわれている。また、M期のanaphase、telophaseにおいてmidbody、cleavage planeに分布することから、細胞質分裂においても何らかの役割を果たしている可能性も考えられている。そこで我々は巨核球の多倍体化過程にPLKlが関与している可能性があると考え、巨核芽球性白血病細胞株および正常ヒト巨核球を用いて検討中である。
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