1998 Fiscal Year Annual Research Report
中心静脈栄養時における腸管粘液の腸管透過性抑制作用に関する実験的臨床的研究
Project/Area Number |
10671111
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
林 勝知 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教授 (80144020)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左合 哲 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手
安田 博之 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (50293577)
|
Keywords | Bacterial Translocation(BT) / ラット回腸 / 中心静脈栄養 |
Research Abstract |
1. 鼠チフス菌回腸ループ内投与モデルによるBTの評価法の確立 Wistar系雄性ラットを用いて、右頸静脈より顕微鏡下にカテーテルを上大静脈まで留置し固定し、そのカテーテルを皮下トンネルを介して項部より対外に誘導し、輸液ルートに連結するカニュレーション法を確立すると同時に、カニュレーション技術を安定化させることに成功した。また、カニュレーションを施行したラットを2週間個別にTPN下に飼育可能な飼育システムを確立することに成功した。対照群に対してはsham operationを施行しTPN群と同じく2週間個別に飼育するシステムを確立した。続いて、2週間飼育したTPN群と対照群の間に栄養状態の差が生じないような各群の投与カロリーと水分量を検討した。栄養評価は2週間飼育時の末梢血中の総蛋白(TP)、トランスフェリン(Tf)値と体重増加率を指標とした。TPN群(n=18)を321kcal/kg/day、288ml/kg/day、総窒素量1.46g/kg/day,対照群(n=16)を固形飼料220kcal/kg/day,水分制限なし、の条件で2週間飼育した結果、TPは4.8±0.4 vs 4.7±0.4g/dl、Tfは115±11 vs 115±11 mg/dl、体重増加率は8.9±6.8 vs 13.3±6.3%(いずれもTPN 群 vs 経口群)で、2群間に有意差を認めなかった。以上の実験成果によりTPN群、対照群のラットを安定して2週間飼育することが可能となった。現在、両群のラットを用いて培養法によるBTの評価に関する実験を開始する準備段諧にある。 2. 画像解析装置を用いた腸管粘液の定量測定法の確立 上記1.の2群の終末回腸より組織標本を作成し、HE・PAS・Alcian-blue染色を施行した。現在、染色標本の顕微鏡像を顕微鏡カラーテレビ装置でモニターしつつコンピューターに取り込み、専用ソフトウエアーを用いて、腸管形態と腸管粘液量を定量測定する方法を検討中である。
|