1998 Fiscal Year Annual Research Report
機能性蛋白質を共合固定した人工血管における内皮化および器質化特性に関する研究
Project/Area Number |
10671128
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
泉澤 康晴 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (60193380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 まこと 北海道大学, 医学部, 助教授 (70170636)
山下 和人 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (60244844)
谷山 弘行 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (90133800)
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Keywords | 機能性タンパク質 / 化学固定 / ePTFE人工血管 / 血管内皮細胞 / イヌ / 腹大動脈 / インスリン / フィブロネクチン |
Research Abstract |
内径6mmの人工血管をビーグル犬の腹大動脈に移植し、超音波ドップラー血流計、超音波画像診断装置により、術後(1-14日)の血流速とグラフトの開存性を調べるとともに、摘出(術後14日、30日)後光学顕微鏡による組織学的観察(HE染色)を行った。人工血管は機能性タンパク質であるインスリン、フィブロネクチン、メタクリル酸を化学固定した繊維長60μmのePTFEで、全層にわたって固定したもの、外壁にのみ固定したもの、対照として機能性タンパク質を固定していないもの(プレイン)を用いた。 吻合後1-2日目に血流速の一時的な低下が認められたが、その後即座に回復し術前値を維持した。全ての摘出血管に開存か認められた。吻合後14日目のものではいずれの血管も内皮細胞の被覆は吻合部にわずかに認められるのみであった。30日目のものでは、機能性タンパクを固定したものよりもプレインの方が内皮化が進んでいた。 今回の結果は総頚動脈に移植した内径4mmの小口径人工血管の組織学的結果に相対するものであった。これには血流速度の違いが大きく関与しているものと思われる。今後、吻合後の観察期間を延長し、他の染色法(EV染色、MT染色Collagen type I,III、α-smooth muscle actin、PDGAによる免疫組織化学的染色)により、内皮化と器質化にかかわる人工血管周囲構成細胞のメカニズムについてさらに詳細に検討する。
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