1999 Fiscal Year Annual Research Report
機能性蛋白質を共合固定した人工血管における内皮化および器質化特性に関する研究
Project/Area Number |
10671128
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
泉澤 康晴 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (60193380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 弘行 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (90133800)
山下 和人 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (60244844)
佐久間 まこと 北海道大学, 医学部, 助教授 (70170636)
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Keywords | 機能性タンパク質 / 化学固定 / ePTFE人工血管 / 血管内皮細胞 / インスリン / イヌ / 腹大動脈 / フィブロネクチン |
Research Abstract |
内径6mmの人工血管2種をビーグル犬の腹大動脈に移植し、超音波ドップラー血流計、超音波画像診断装置により、術後(1-14日)の血流速とグラフトの開存性を調べるとともに、摘出(術後1、2、4、8、12、16週)後光学顕微鏡による組織学的観察(HE染色、EV染色、MT染色Collagen type I,III、α-smooth muscle actin、PDGAによる免疫組織化学的染色)を行った。人工血管は機能性タンパク質であるインスリン、フィブロネクチン、メタクリル酸を化学固定した繊維長60μmのePTFEで、全層にわたって固定したもの、外層にのみ固定したものを用いた。 移植血管の開存率は摘出時100%であった。吻合後1-2日目に血流速の一時的な低下が認められたが、その後即座に回復し術前値を維持した。吻合後14日目のものではいずれの血管も内皮細胞の被覆は吻合部にわずかに認められるのみであった。8週のものでは、機能性タンパクを全層固定したもので全域にわたって内皮化が認められたが、外層のみ固定したものでは中央までの伸展はなかった。両人工血管とも4週目より結合組織の線維内進入が観察されたが、完全な気質化は全層固定のもので8週、外層のみ固定したものでは16週を要した。いずれも内皮細胞が被覆した領域の人工血管繊維では器質化が進んでいた。 今回の結果から、内皮細胞の被覆にはその足がかりとなる繊維の器質化が必須であり、細胞接着能や増殖能を有するフィブロネクチン、メタクリル酸、インスリンなどの機能性タンパク質を化学固定した人工血管の有効性が示された。
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