1998 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺乳頭癌のリンパ行性転移に関する血管内皮細胞増殖刺激因子mRNA発現機構
Project/Area Number |
10671139
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小原 孝男 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70090488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯原 雅季 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10222829)
田中 礼子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60197499)
岡本 高宏 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70194397)
佐藤 幹二 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60138857)
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Keywords | 甲状腺癌 / 血管内皮細胞増殖増殖因子 / 発癌機序 / 転移 |
Research Abstract |
[目的]血管内皮細胞増殖刺激因子曲(VEGF)のなかでも、VEGF-Cはリンパ管形成に関与していることが知られている。一方、甲状腺癌のなかで、乳頭癌と濾泡痛はその転移形式において前者が主にリンパ行性、後者が血行性であるという特徴がある。癌の転移機序の違いを明らかにするために、われわれは、乳頭癌と濾泡癌におけるるVEGFのmRNA発現を比較する実験を行った。 [材料、方法]東京女子医科大学内分泌外科で手術を行い、-80℃に保存した甲状腺乳頭癌15例、濾胞癌4例を検体とした。凍結標本からRNAを抽出しVECF-CとCAPDHとをブローべとしてノーザンブロッティング法を行なった。ノーザンブロッティング法の結果は、NIH Image Softwareを用い、オートラジオグラフ上のmRNAシグナル濃度を定量化した。 [統計処理]VEGF-CのmRNAシグリール濃度をVECF-C/CAPDH(mean±SE)とし、unpaired Studennt's t-test を用いて検定を行った。 [結果]VEGF-C/GAPDH(mean±SE)は、乳頭癌腫瘍部0.82±0.03、濾胞癌腫瘍部0.57±0.02であり、統計学的有意に(p<0.01)乳頭癌に多くVEGF-Cの発現が認められた。また、乳頭癌非腫瘍部0.91±0.04、濾胞癌非腫瘍部052±0.03であり、非腫瘍部どうしを比較しても乳頭癌例のほうが有意に(p<0,001)多くVECF-Cの発現が認められた。 [次年度研究計画]VEGF-C以外のVEGFグループのブローべを用いてVEGF-CのmRNA発現を比較定量する。また、in situ hibridization法を用いて、VEGF-CmRNAの産生部位を明らかにし、病理組織所見と比較検討する。
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