1998 Fiscal Year Annual Research Report
モヤモヤ病患者由来培養血管平滑筋細胞の炎症性cytokineに対する反応性異常
Project/Area Number |
10671285
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青柳 傑 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40134704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 正史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30301154)
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Keywords | モヤモヤ病 / 血管平滑筋細胞 / 炎症性サイトカイン / IL-1 |
Research Abstract |
浅側頭動脈より血管平滑筋細胞(SMC)を培養し、SMCの増殖および遊走反応性について、血管内膜肥厚に関与すると考えられる種々の増殖因子、cytokinesについて検討した。PDGF-AA,PDGF-BB,basic FGF,EGF,HGF,TGF-β1,IL-1β,IL-6,TNF-α,INF-γについて検討した。増殖反応性はDNA合成刺激により、また遊走刺激は96well Micro Chemotaxiss Assembly(Neuro Probe)を使用し、遊走してくる細胞数をcountすることにより評価した。DNA合成刺激はモヤモヤSMCでは、どの因子についても低反応性であり、対照SMCとの差はPDGF-AA,-BB,IL-1bで有意であった(図1)。遊走刺激について検討すると、PDGF-BB,-AAともにモヤモヤSMCで有意に刺激効果が認められた。一方、IL-1,IL-6では有意の低反応性を示した。特に、IL-1にたいする反応性は対照SMCとは顕著な違いが認められ、対照SMCではIL-1はすべて遊走刺激効果をしめすのに対し、モヤモヤSMCのすべての細胞株で抑制効果を示した。IL-1は、多機能性のcytokineであり、細胞に作用し、PDGF-AAやTGF-bを分泌させる。また、細胞のNO合成を刺激し、NOはSMCの増殖遊走に抑制的に作用しうる。そこで、SMCのIL-1刺激によるNO合成を検討した。対照、モヤモヤSMCともIL-1によりNO産生は有意に刺激され、両者で差はなく、ともにNOSのinhibtorで抑制された。したがって、モヤモヤSMCの特異的反応性はNOとは関係ないと考えらた。本研究では、これまで報告したPDGFに対する増殖低反応性に加え、IL-1βに対する反応性が対照SMCと顕著に異なることが明らかとなった。この結果は、モヤモヤSMCに、IL-1βに関連する細胞内signal、あるいは、下流の分子の異常が存在する可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamamoto M,Aoyagi M,et al.: "Differences in cellular responses to mitogens in arterial smooth muscle cells derived from patients with moyamoya disease." Stroke. 29. 1188-1193 (1998)
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[Publications] Aoyagi M,Yamamoto M,et al.: "Immunolocalization of matrix metalloproteinases in rabbit carotid arteries after balloon denudation." Histochem Cell Biol. 109. 97-102 (1998)
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[Publications] Yamamoto M,Aoyagi M,et al.: "Decrease in p53 protein in cultured cardinal ligament fibroblasts from patinets with uterine prolapsus uteri." Cell Biology Int. 22. 31-40 (1998)
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[Publications] Hara M, Aoyagi M, et al.: "Recurrence in meningeal hemangiopericytomas." Surg Neurol. 50. 586-591 (1998)