1999 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生阻害剤を用いたラット骨肉腫細胞の肺転移抑制実験
Project/Area Number |
10671339
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽鳥 正仁 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70208552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 敏裕 藤沢薬品工業, 探索研究所, 主任研究員(研究職)
大谷 明夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30133987)
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Keywords | 骨肉腫(osteosarcoma) / 肺転移(lung metostasis) / 血行性転移(Rematogenous metastasis) / 多中心性骨肉腫(multifocal osteosarcoma) / リンパ節転移(lymph node metastacis) |
Research Abstract |
1.骨肉腫肺転移経路の検討 肺転移抑制の研究の一助として多中心性骨肉腫の剖検所見より転移経路を検討した。15歳男子:左大腿骨、脛骨に多発性の病巣を有していた。腸骨、第4腰椎椎体にも病変がとらえられた。当初肺転移巣はみられなかった。骨生検術で、核異型を示す大小不同の腫瘍細胞並び著明な類骨の増殖がみられた。多中心性骨肉腫と診断した。化学療法を行うも腫瘍の抑制効果はみられず胸椎・頸椎、頭蓋骨にも腫瘍の進展がみられ、診断から6カ月目で肺転移巣が出現し死亡した。剖検時、腰椎椎体に病巣が観察された。肺門リンパ節の両側、横隔膜にも多数の転移巣がみられた。転移巣はミクロ的に骨芽細胞型骨肉腫の像を呈しており原発巣と同様な所見であった。リンパ節転移、リンパ管内の腫瘍塞栓が観察された。気道周囲は腫瘍により圧迫されていた。肺門リンパ節には正常なリンパ組織も一部残っていた。ほとんどが腫瘍組織と類骨に置換されていた。その他の臓器への転移はみられなかった。特異な点は肺門リンパ節転移を伴うリンパ管への腫瘍細胞の著明な浸潤を認めたことである。骨肉腫の場合は通常血行転移が主であると言われているが本症病巣の多発化の機序として左大腿骨遠位部を主病巣とする血行性転移の他にリンパ性の転移形式が考えられた。本検討はPathology Research and Practiceに投稿中である。 2.間質細胞のMMPの発現と癌転移の関連を調べた。
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Research Products
(2 results)