1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチでのT細胞のアポトーシスにおけるHLA-DRB1遺伝子の関与
Project/Area Number |
10671392
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中川 琢麿 関西医科大学, 医学部, 助手 (90180249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 忠信 関西医科大学, 医学部, 助手 (50157921)
小川 亮惠 関西医科大学, 医学部, 教授 (90077610)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / SCIDマウス / 免疫染色 |
Research Abstract |
我々は慢性関節リウマチ(以下RA)患者の滑膜をSCIDマウスに移植し、そのキメラマウスを抗CD20抗体で治療し、移植滑膜の組織学的、および分子生物学的な変化を観察した。具体的には、関節手術時に採取された滑膜をSCIDマウスの背部の皮下に移植し、その10日後から3日間抗CD20抗体(150μg,300μg,600μg/day)を腹腔内投与した。移植後21日目に滑膜を採取した。移植した滑膜には、CD23陽性のリンパ濾胞形成をともなう炎症細胞浸潤の強いものを選択した。 上記抗体で治療した後、リンパ濾胞は消失し、細胞浸潤の程度も明らかに減少していた。CD4抗体を用いて免疫染色を行ったところ、CD20陽性細胞と同様にCD4陽性T細胞も有意に減少していた。一方、マクロファージ(CD68)、血管内皮細胞(Factor VIII)は有意な変化を認めなかった。次にPCR-ELISA法により移植滑膜のmRNAレベルでの各種サイトカインを計測した。Interferon-γ値はCD20抗体の治療により容量依存的に低下していた。一方、tumor necrosis factor-alphaは、有意差は観察されなかった。 以上の結果により、RA滑膜の炎症細胞浸潤はB細胞による抗原提示が重要な役割を示している可能性が示唆された。 なお、本研究結果については、Arthritis & Rheumatism誌に投稿する予定である。
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