1998 Fiscal Year Annual Research Report
病的声帯における口腔内圧の急速変動と音声基本周波数の関連
Project/Area Number |
10671589
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北嶋 和智 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10108996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 英幸 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00224436)
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Keywords | 音声基本周波数 / 声門上下圧差 / 声帯結節 / 喉頭調節 |
Research Abstract |
申請者は予備的研究で、単位声門上下圧差あたりの音声基本周波数変動(dF/dP)と音声基本周波数(Fo)を測定し、dF/dPをy軸にFoをX軸にとった分布図上で、これらの値はV字型を形成することを報告している。平成10年度に以下のことを行った。 1 口腔内圧変動用のシャッターバルブの製作: シャッターバルブに空気圧と流量センサーを装着した発声用マウスピースを製作した。持続発声時にバルブを急速に一部閉鎖して声門上圧の急な変動を作成し、急速な声門上下圧差を作成する装置である。バルブの閉鎖程度と閉鎖時間が調節できる様に対処した。 2 声帯結節手術前後について、dF/dPをY軸にFoをX軸にとった分布図を作成した。分布図について、(1)V字の谷の位量、(2)谷の傾斜度を手術前後で比較した。 3 結果:術後にV字の谷が低いFo方向に移動した。術後にはまた、V字の山と谷の差が大きくなった、すなわち、谷の傾斜度が強くなった。 4 これらの観察結果は、当初の予想、すなわち、dF/dP vs Foの分布図は、声帯の伸張・質量の調節というFo制御の仕方に声帯病変が影響を及ぼしているとの推測を裏付けるものである。現在他病変での観測を進めるめている。
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Research Products
(1 results)