1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経損傷後の喉頭運動神経支配様式の変化に関する研究
Project/Area Number |
10671625
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
吉田 哲二 久留米大学, 医学部, 助教授 (70080926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一功 久留米大学, 医学部, 講師 (30230064)
中島 格 久留米大学, 医学部, 教授 (70117183)
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Keywords | 内喉頭筋線維束 / 運動ニューロン / 脳幹内局在 / ニューロン径 / 組織学 / 免疫細胞束 |
Research Abstract |
我々は従来、各種軸索輸送法、組織化学、免役組織化学ならびに免疫電顕法、あるいは生理学的手法を用い、正常な喉頭の神経支配を延随ならびに末梢において追求し報告してきた。本研究では従来一貫して用いてきたネコにおいて各レベルでの神経損傷後に各部位で、どのような変化が経時的に起こるのか、まず形態学的に掴まえるのを目的とした。特に喉頭機能の主役である内喉頭筋の筋線維束の構成とその支配ニューロンと樹状突起展開を観察する。さらに神経損傷後に起こる末梢と中枢における運動神経系の変化をみる。現在まで、1.各内喉頭筋を実体顕微鏡ならびに組織学的に検索した結果、側筋を除いて複数の筋線維束がみられた。前筋は大きな直部があり、少数例で小さな斜部を有し、後筋は披裂軟骨筋突起の前面につく直部と後面にっく斜部が存在し、横筋は吻側中央に小さな軟骨があり、pairedとunpaired typeの筋線維束を認めた。2.これら各筋線維束支配運動ニューロンをコレラトキシンBサブユニットによる免疫組織学にて観察した。陽性運動ニューロンは短径を測定し、小細胞群(25μm以下)、中細胞群(26〜50μm)、大細胞群(51μm以上)に分け検討した。各線維束を支配する運動ニューロンの局在は吻側方向において明らかな差は認められなかった。しかし横断面にて発声や呼吸に関連する筋線維束支配のものは嚥下関連のものよりも内側に位置する傾向を示した。また細胞径においては前筋は小細胞群が60%以上を示したが、他の4筋は小細胞群と中細胞群がほぼ半数ずつを占めた。以上より特殊内臓筋といわれる各内喉頭筋の各筋線維束は喉頭機能においてそれぞれ異った役割を持ち、それに対応する支配運動ニューロンは喉頭調節上特異的性質を有していることが示唆された。
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