頭頸部のリンパ管構築 -コンピューターによる三次元再構築-

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10671707
• Research Institution: Iwate Medical University
• Principal Investigator: 藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571) ; 陳 榮光 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (00244939) ; 大沢 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747) ; 野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
• Keywords: 頭頸部リンパ管構築 / 三次元再構築 / コンピューター / マウス

Research Abstract

本研究は今まで顧みられることのなかったリンパ管構築に注目し、成体における頭頸部の各臓器のリンパ管構築を明らかにし、さらに、胎生期におけるリンパ管の発生を追及するものである。現在までのところ、実験手技的な問題点を解決することができた。すなわち、従来のパラフィン切片では切片の厚さが厚すぎ、毛細リンパ管の走行を追及することが不可能であり、集合リンパ管であっても周囲組織による圧迫等で扁平な部位では見逃す恐れがあった。さらに薄節時の切片の変形も認められたが、樹脂包埋による切片作成により、さらに薄い、しかも変形の少ない切片の入手が可能になった。これにともなって、染色液もコントラストの強いトルイジンブルー染色により、リンパ管の観察が容易になった。これらの試料作成法によって、現在、舌のリンパ管構築を舌背、舌下、そして対向する口腔粘膜のリンパ管構築を検索しているところである。舌下面粘膜上皮下リンパ管は上皮直下の舌腱膜内を太さ30μmの非常に太いリンパ管が大きな網目を構成しながら、舌小帯の中を走行しているオトガイ舌筋筋束に沿って下方に向かい、顎舌骨筋の上方を後方に走行していた。舌下粘膜に対向する口腔底粘膜上皮下では舌下面より細いが、数が多く、樹枝状を呈していた。