2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液高プロリン含有蛋白質P-Bの分子遺伝学的ならびに系統発生学的研究
Project/Area Number |
10671761
|
Research Institution | THE NIPPON DENTAL UNIVERSITY COLLEGE AT NIIGATA |
Principal Investigator |
伊勢村 知子 日本歯科大学新潟短期大学, 教授 (10112963)
|
Keywords | ヒト / 唾液 / 高プロリン含有蛋白質 / P-B / PBII / PBI / 遺伝子座 / 第四染色体 |
Research Abstract |
昨年度までの研究に於いて決定した、唾液高プロリン蛋白質P-Bをコードする遺伝子PBIIの塩基配列(J.Biochem.(2000)127 393-398、アクセッション番号AB031740)に基ずいてPBIIの染色体上の位置を下記方法により決定した。 即ち、Stanford G3 Radiation Hybrid Mapping Panel(Research Genetics社)の83クローンのDNAをテンプレートとし、PBIIの3'側335塩基及び5'近傍1359塩基を増幅するように設計した2組のプライマーペアを用いて2シリーズのPCRを行った。増幅物をアガロース電気泳動で分離し335bp或いは1359bpの位置にバンドを示すクローンを1、示さないクローンを0と表示し、得られた結果をインターネット上のRH Serverで解析した。オンライン解析により、いずれのプライマーペアを用いた場合に於いてもPBIIとマーカーSHGC-35364間の距離が0(crs)であるとの結果を得た。SHGC35364はP-BcDNAの塩基配列に由来する200bpのマーカーであり第4番染色体長腕q13.3-q21.3に位置する。従って、PBII遺伝子はP-BmRNAと同じ位置、第4番染色体 長腕q13.3-q21.3領域に存在する。PBIIはP-BmRNAに対する遺伝子であると考えているので同じ位置にマップされることは妥当である。またP-BmRNAの従来のマッピングを異なるマーカーにより再確認したことになる。Stanford G3 Radiation Hybrid Mapping PanelとGeneBridge RH panelによりPBII近傍にマップされているマーカーにはPBIIと同族遺伝子であるPBI、涙の高プロリン蛋白質由来のものがある。唾液蛋白質であるヒスタチン3やスタセリンも近い位置にマップされていることは興味深い。唾液の池の高プロリン蛋白質は第12番染色体上に存在する。
|