1999 Fiscal Year Annual Research Report
超音波ドプラ法による頚部リンパ節の微小転移巣検出に関する実験的研究
Project/Area Number |
10671770
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
湯浅 賢治 九州大学, 歯学部, 講師 (40136510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 敏昭 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00315491)
河津 俊幸 九州大学, 歯学部, 助手 (20294960)
筑井 徹 九州大学, 歯学部, 助手 (10295090)
斉藤 美千代 九州大学, 歯学部, 医員
吉野 真弓 (清水 真弓) 九州大学, 歯学部, 助手 (50253464)
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Keywords | 口腔癌 / 微小転移巣 / リンパ節転移 / 超音波パワードプラ法 / 超音波パルスドプラ法 / VX2癌 |
Research Abstract |
本年度の研究によって得られた研究成果は以下の通りである。 1.超音波パワードプラ像は、血管造影像で観察される転移リンパ節内の血管分布像のうち極微細な血管像を完全には描出することはできなかったが、血管の増殖や減少、血管像の陰影欠損像等の血管の分布パターンは反映していた。つまり、超高周波(14MHz)の超音波装置によるパワードプラ法は、リンパ節内の血管分布パターンの把握には有用であることが分かった。 2.頚部リンパ節の腫瘍が微小である時点においては、血管造影所見や病理組織所見では、リンパ節内の血管は増殖し、その後腫瘍が増大するに伴い、血流欠損部を取り囲むような血管の走行が観察された。そして、この現象を超音波パワードプラ法は表現しうることが分かった。 3.超音波パルスドプラ法を用いた場合の転移リンパ節門部の血流速度は、転移が生じた初期の段階においては一過性に増大し、その後減少する傾向にあった。血流速が最大になる時期と血流欠損部位が検出される時期との間には有意な相関を認めた。 4.転移リンパ節門部において、血流速度の増大に伴いその血流は拍動性を呈する事が認められた。 5.超音波パワードプラ法により転移リンパ節内に血流欠損部位が認められる時期から、一部のリンパ節ではリンパ節周囲に血流を認めた。それらの多くの血流には拍動性を認めた。 6.リンパ節内で転移巣が増殖する過程においては豊富な血流の供給が必要であり、初期においてはその供給はリンパ節門の血管からの血流供給増大がなされ、超音波パワードプラ法において血流欠損部位として認められるようになる後期ではリンパ節の周囲血管からの供給がなされるようになることがわかった。 7.上記結果より、ドプラ超音波法を用いることにより、微小転移巣の検出は可能であるとの結論を得た。
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[Publications] 中野敏昭: "口腔扁平上皮癌の頸部転移リンパ節に対する超音波診断:節外型転移リンパ節の特徴"日本口腔腫瘍学会誌. 11. 48-55 (1999)
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[Publications] 河津俊幸: "口腔癌の術前治療前後における頚部転移リンパ節の画像診断"日本口腔腫瘍学会誌. 11. 135-142 (1999)
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[Publications] Yuasa K: "Ultrasonography for the detection of cervical Lymph node metastases in patients with tongue cancer: Criteria for early detection and assessment of follow-up examination intervals"American Journal of Neuroradiology. 21(In press). (2000)