1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい粘膜調整材の開発とその歯科臨床特性に関するレオロジー的研究
Project/Area Number |
10671814
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片倉 直至 東北大学, 歯学部, 助教授 (70005031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 誠 東北大学, 歯学部, 助手 (70199503)
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Keywords | 粘膜調整材 / ポリメタクリル酸プチル / 可塑剤 / レオロジー / 動的粘弾性 / 流動性 / 粒度分布 / 分子量分布 |
Research Abstract |
本研究はポリメタクリル酸ブチル(PBMA)系のポリマーを用いて新しい粘膜調整材を試作し、その所要性質すなわち歯科臨床特性を主としてレオロジーの観点から解明するもので、実施計画に従い以下の点を明らかにした。 1. ポリマーの合成 メタクリル酸n-ブチル(nBMA)とメタクリル酸イソブチル(isoBMA)とを用い、それぞれの単独重合体を2種類(PnBMA、PisoBMA)、次ぎに、nBMAとisoBMAの仕込量がモル比で9:1、8:2、6:4の共重合体を3種類(COP91、COP82、COP64)合成した。各ポリマーを水中沈降法により、それぞれ大、小2種類の粒度に分離した。 2. ポリマーの分子量と粒度分布の測定 現有のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて分子量を測定したところ、重合条件が同じであるので5種類のポリマーの重量平均分子量は、いずれも200,000〜210,000の範囲にあった。現有の粒度分布測定装置による粒度測定の結果、5種類のポリマーのうち粒度大のものは55〜70μm、粒度小のものは35〜55μmであった。 3. 臨床的操作性の把握 本補助金で購入した円錐平板型回転粘度計を用い、ブチルフタリルグリコール酸ブチル(BPBG)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ベンジルブチル(BBP)の3種類の可塑剤について粘度を測定し、流動の活性化エネルギーを求めた。次に、合成した粉末ポリマーとアルコールを含まないBPBGとの組み合わせによる粉液混合物の粘度を測定してゲル化時間を調べた。その結果、本材料はアルコールを添加しなくともゲル化するが、操作性に若干の難点があり、アルコールの有無および他の可塑剤との組み合わせについて、さらに詳細な検討が必要である。
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