1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔・顔面領域を支配する有髄および無髄一次求心性線維の中枢投射に関する研究
Project/Area Number |
10671891
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
迫田 隅男 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20118079)
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Keywords | 三叉神経知覚核群 / 中枢投射 / 眼窩下神経 / 舌神経 / 口腔眼面痛 / 神経トレーサー / CB-HRP / IB4-HRP |
Research Abstract |
口腔および顔面を支配する三叉神経一次求心性線雑の、三叉神経知覚核群における中枢投射に関して検討している。神経のトレーサーとして、有随神経線維に特異的に取り込まれるCB-HRP(cholera toxin B conjugated to horseradish peroxidase)と、無随神経線維に特異的に取り込まれるIB4-HRP(isolectin B4 conjugated to horseradish peroxidase)を用いている。平成10年度は、ラットの眼窩下神経と舌神経に各神経トレーサーを注入して、それぞれの神経の中枢投射に関して検索した。その結果、以下に述べることが判明した。 CB-HRPでラベルされた中枢終末は、眼窩下神経と舌神経のいずれの場合でも、尾側核では、I層、II層の内側、III、IV、V層に認められた。より吻側部位の核、すなはち主知覚核、吻側核、中間核におけるCB-HRPによるラベルは、体部位局在的に認められた。一方、IB4-HRPでは、両神経ともに、尾側核のII層の外側に限局して認められた。IB4-HRPを舌神経に注入した場合には、吻側部位の核において、ラベルがわずかながらも認められたが、眼窩下神経に注入した場合には、認められなかった。これらのことから、舌神経に含まれる無随神経線維は、三叉神経知覚核群のより吻側部位の核にも中枢投射していることが明らかとなった。このことは、口腔領域の痛みに対して、尾側核と同様にこれら吻側部位の核も関与していることを示唆していると言える。 今後、他の神経に関しても同様の方法で検索する予定である。
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