1998 Fiscal Year Annual Research Report
透過型レーザー血流計と色差計を用いた乳歯外傷歯の変色に関する客観的検討
Project/Area Number |
10671951
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
向山 賢一郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (60190849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 恵里子 昭和大学, 歯学部, 助手 (50245817)
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Keywords | 外傷歯 / 歯冠色 / 変色 / 透過型レーザー血流計 / 色差計 / 歯髄血流 / 客観評価 |
Research Abstract |
乳歯歯冠色および歯髄血流量を客観的に評価する目的で、外傷受傷歯に発症した歯冠変色について色彩色差計と透過型レーザー血流計用いを本研究を遂行したところ、以下の結論を得た。 1、 色彩計を用いた歯冠色の測定および光学的配慮を行った上での写真上からの比色乳歯歯冠色は個人差、組織の厚み、歯面の彎曲度の相違などによって異なっている。そこで同一個人内の形態、色彩が比較的類似している左右同名歯(上顎乳中切歯)を対象歯として測定を行った。外傷による歯冠変色歯の測定と受傷を受けていない同名歯との間の色差では、受傷直後には左右間で明瞭に差が認められたものでも、経時的に色差が減少しているものがあった。これに対し初期には余り大きな差が認められなかったにもかかわらず、大きな差となったものもあり、歯冠変色が画一的に起こっているのではないことが示唆された。さらに光学的配慮を行った写真上からの肉眼的比色では、色差が明瞭には判別できないものもあり、この結果から、写真や肉眼的な外見上からの変色歯の診断は困難であることが示唆された。 2、 透過型レーザー血流計を用いた歯髄血流の測定および末梢血流との比較 今回開発した透過型レーザー血流計を用い、比較の為測定した手指末梢血流を同期的に計測したことにより、透過型プローブを使用することによって反射型血流計に生じる周囲の歯肉血流などのノイズを排除した歯髄血流が測定できた。これにより電気歯髄診断器では判別が不可能であった受傷直後の歯髄の生死判断が可能となった。しかし、対象児の安静が必要であること、測定プローブが大きすぎることなどにより完全にこれらの問題点を解決するまでには至っていない。次年度は測定プローブの改良、色差計との相関などについてX線的な考察なども踏まえ、検討を行っていく所存である。
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